君を信じる・・・宮廷女官若曦29話
色々、含蓄が深い29話。「信じること」と「手放すこと」が描かれていた。それは、「歩歩驚心」の真髄を描いているかのようで。
このドラマでは4サマのダークサイドは描かれないのね、ということがわかってきました(残念!)
彼の冷徹な顔とか、残虐な部分とかは、視聴者が知らない内に行われているのね。視聴者が見る4サマの顔は、親の愛情に飢えている傷ついた少年の顔だったり、愛する女を振り向かせたくってやきもきする不器用な顔だったり。そんな顔しか見れないのでしょうね。
ルォシーと同じで、皇位簒奪者になるために彼が取った手段については、うすっらと想像するしかないみたいです。そんな彼に対して、ルォシーが何を求めているのか・・・読解力のない私にはやっぱりわかりません。
(ルォシー自身、わかっていないのではないかと思うけれども)
かといって、ルォシーは自分自身が変わろうともしない。彼女は、ただ彼女が知っている歴史通りに、自分も動くことだけが、正しい、この時代に自分が存在できる意味だ、と思っている。
だからこそ14の「先皇帝の遺言は」という問いかけにも、歴史通りの答えしかしない。
しかし、自分が知っている歴史と、今現在自分が直面している人間関係はそう単純に割り切ることもできずに、皇子たちの悲運に心を痛め、4サマと寄りそって生きることが素直には喜べないのだ。
この時代の行く先を知っている・・・というのが、彼女の本質であり、役割である。しかし知っているだけで、運命には抗えない、預言者みたいなんだろうなぁ。
ルォシーが手放すものは何なのか。
4サマとルォシーは、互いに率直には話し合いはするが、相手を無条件で受け入れるという「信じる」と言う行為には、不協和音とでも言うような、そんな、かみ合ってなさを感じさせる29話。
彼らが互いに抱く正義と、彼らの立場が違うことが明確になる29話。
やはり皇帝になるのは、知力(陰謀力)、体力、時の運が必要だと思うのだが、彼は、タイミングがいつも悪いのよね。彼が到着する時には、いつも全てが終わってしまっている。
不憫だなぁ~
29話で胸が衝かれたのは、「君を信じる」という短い言葉だった。
14の皇位継承を正当化する母親の言葉よりも、ルォシーの言葉を、信じると言う、その選択に泣けそうになる。
誰かを信じるということは、その人しか信じないということは。
周囲の雑音をシャットアウトして、ルォシーの言葉だけを信じるというのは。
それは、それは、やっぱり愛でしょう。
この不運な皇子が、せめて自分の愛にはきちんと間に合えるようにと、私は願ってならない。
きっと彼の中では今まで、「僕もルォシーと13のような親友関係を築きたい」「8兄上が気していた女性だから、なんとなく気にしてあげなきゃ」・・・とか、なんだかんだ自分の中で理由をつけてルォシーを構ってきましたが。そろそろいい加減、自分の気持ちに気付いてもいいのじゃないでしょうか。
愛だって。
信じるってことは、相手を無条件で受け入れるってことだから。それは、愛と言う言葉に等しい。
どうか、どうか、14が、間に合いますように。
by moonlight-yuca
| 2012-11-27 07:54
| 宮廷女官若曦