復讐したいのか、愛したいのか・・・太陽がいっぱい14話まで
視聴率は実に惨憺たるありさまで、とうとうケーブル系ドラマ「密会」よりも低いらしいです。
毎回書きますけれども、私は好きです。
好きなんだけれども、どうも、そもそものこのドラマのストーリー展開が分からなくなってきている。
復讐したいのか、愛したいのか。
騙したいのか、騙されたいのか。
いえ、ストーリー展開は簡単なのですが、主人公たちがいったい何をどうしたいのか理解できないので、若干イラッと(笑)する。
ずっともやもやしたものを抱えながら視聴してきたのですが、14話にして開眼しました。
雰囲気ドラマ、だと。
ユン・ゲサンやハン・ジヘの悲しみの演技をただただ堪能すればいいのだと。
雰囲気に酔いしれるべきドラマなのです。
残り2話、どこまでこの雰囲気を堪能させてくれるのでしょうか。
かの名作「太陽がいっぱい」と同じタイトルのこのドラマ。
ストーリーは全く別物ですし、テーマだって違います。どうしてこのタイトルを選んだのかいまだに理解できない私です。
富裕層へのルサンチマンも、羨望も憧れもこれっぽちも描かれていない・・・ですよね?
序盤に伏線のように「Every cloud has a silver lining」なんて出ていたのだけれども、これも意味不明。
数々の嘘という重く厚い雲に覆われたこの世界のはざまで、一瞬きらめく「真実の愛」がsilver lingingなのでしょうか。
あ、嘘で塗り固められた世界というのが、「太陽がいっぱい」と重なる設定なの・・・かな。
チョン・セロ(ユン・ゲサン)はヨンウォン(ハン・ジヘ)のことは一目ぼれだったのですよね。
そんなヨンウォンが、自分には無縁の「愛」を大切にする女だからいらっとして、彼女に序盤から突っかかったわけで。
実は彼女の気を引きたい一心だったわけで。
そもそも、「復讐」と言いながら、あまりにもセロの計画は、毎回場当たりな気がしていたんです。
復讐ドラマの基本は、綿密な復讐計画を立てて実行しているうちに、想定外の要因・・・敵の娘と恋に墜ちるとかね、が生じて計算が狂ってくる。
自分の生きる糧となった「復讐」をとるべきか、それとも「愛」を選ぶべきなのか。
この葛藤が、視聴の醍醐味だった訳です。
ところがなんだかセロの復讐は復讐ではなくって、「僕に気付いてくれ、僕を愛してくれ」とヨンウォンへの叫びに聞こえてね。
その割に、あまりためらいもなくヨンウォンの家族を陥れていくし。
そして、今や、あんたの敵はハン・テオなの? ガンジェオッパなの?
という展開です。
父親を毎回断罪しながらも、父親に保護されているし。
彼を守ろうとする行動も場当たり的で。後先を考えていないのじゃないかと思います。
そう、この二人は、どこか互いの置かれている立場に酔っているような感じが、いらっとするのかも。
だから、どうしたいんだ、と毎回思っちゃいます。
なんだか状況とストーリー展開が延々とループしているんだもの。
いえ、好きなんですよ、本当にこのドラマ。
飽きっぽい私が14話まで視聴したくらいだもん!
ユン・ゲサンの溢れそうな涙に、毎回ノック・アウトされますが、しかし毎回の展開にはほとんど進展が見られないという・・・
だからこのドラマは、漂う悲しみのニュアンスを楽しむべきドラマなのです!
権力・財力によろめくのは分かりますが、詐欺師としてはあまり頭がよろしくないのではないのかしら・・・
騙したいのなら、まず自分の優しい心を殺さないといけない。
自分の愛を殺さないといけない。
自分を騙してからこそ、他人を騙せるのだから。
暴走する父、母、姉のストッパーとして奔走する日々。
もしかして唯一「太陽がいっぱい」で常識的な人間かもしれない。
彼らの悪あがきが、さらなる悲劇を巻き起こすのでしょうか?
どちらにしろ、14話で急にセロの不治の病のフラグがたち、どうにもハッピーな終わり方が想像できない「太陽がいっぱい」
1話冒頭の雪山のシーンに、どこをどうしたら繋がっていくのか。
by moonlight-yuca
| 2014-04-05 21:28
| 太陽がいっぱい