お前の目に俺が映っている。恋におちている・・・アイアンマン 3話まで
視聴率が5~6%台と大苦戦しているこのドラマ、その理由が分かるような気がする。
面白いとか、面白くないという物語の展開以前の前に、暴力描写に視聴していて非常に苦痛だったから。
そのせいかもしれないけれども、あまり「アイアンマン」について感想を書かれている方も見かけないなぁ。
ハマっている人とリタイアした人とはっきり二分されている印象です。
ざっくりとあらすじ・概要を抜粋してみると。
「アイアンマン」は傷だらけの心のせいで体に刀が生える男と、彼の心の傷を癒してあげる温かい心の女性との恋愛を描く。
「ピアノ」「春の日」「シンデレラのお姉さん」を手がけたキム・ギュワン脚本家と「赤道の男」のキム・ヨンスプロデューサー、キム・ジョンヨンプロデューサーがタッグを組んだ。
まずここで、体から刀が生えるってどういうことよ!と、納得がいかない方は「アイアンマン」視聴は無理です。
でもほら、「シザーハンズ」なんてものすごく素敵なファンタジーロマンスの映画があったじゃないですか。
そんな感じです。「アイアンマン」はファンタジーなので、リアルを求めてはいけない。
体から刀・・・というだけで、この物語はヤマアラシのジレンマの物語であるのだろうと象像はつきます。
ヤマアラシの場合、相手に自分の温もりを伝えたいと思っても身を寄せれば寄せるほど体中のとげでお互いを傷つけてしまうという切ないエピソード。脚本が「ピアノ」(号泣!)「シンオンニ」のキム・ギュワンの新作ということで非常に、非常に楽しみにしていたんです。
その抒情的とも言えるセリフ回し、そこに「赤道の男」のキム・ヨンス監督が加わって映像美もそりゃあ、ロマンチック。
体から刀が生えるという突飛なエピソードも、気にならないように見せてしまう力技。
主人公チュ・ホンビン(イ・ドンウク)が恋人キム・テヒ(ハン・ウンジョン)と語らうシーンなんて夢のよう。
何よりもいいのは、ホンビンの秘書を演じるハン・ジョンス。
しかしですよ、このドラマを見ていて何が苦痛かと言うと、ホンビンが怒りに我を忘れるとアイアンマンになってしまうという設定が苦痛。
「お前の目、まん丸だな」
「あなたの目も、まん丸」
「お前の目に、俺が映っている」
「あなたの目にも私が映っている」
「どう見える?」
「恋に落ちている」
いやあ、本当にリリカルで素敵です、この脚本。
他にも自分の中にある怒りの種を小さくする魔法の呪文とか、セリフは非常に練られているんだろうなぁ。
韓国特有のコントロールフリークなホンビンの父親を演じるのはキム・ガプス。
キム・ガプスは前作「恋愛じゃなくて結婚」では世間体を気にする自分勝手な気弱な父親を演じていたのに、「アイアンマン」では180度違う冷徹な父親を演じています。
そういえば他に、イ・ミスクがホンビンの家の家政婦を演じているのだけれども、キム・ガプス&イ・ミスクは「シンオンニ」でも共演していたわよね。
3話までのところホンビンの秘密を唯一知っている人物で、文字通り満身創痍になりながらホンビンの秘密を守ろうとする。
主従愛にうっとりです。
悲劇的になりそうな展開を、コ秘書の存在が喰いとめてくれているよね。
コ秘書は必見です!
とにかくファーストシーンから、ホンビンは訳の分らぬ怒りに突き動かされている。
他人を蹴ったり、殴ったり、言葉で傷つけたり。ありとあらゆる方法で自分の怒りを画面いっぱいにぶちまけていて。
これが観ていて、つらい。暗澹たる気持ちになってくる。
脚本が狙っているところはわかるんです。
前半、嫌なやつであればある程、おそらく愛を知ったホンビンの変化に視聴者は感動していくんだろう、という狙い。
人とのコミュニケーションを怒りという形でしか取れないホンビンの姿を見るのはつらいし、しんどい。
低視聴率の原因はここでしょう。
好き好んでドラマを視聴していて、ダークな感情になりたくないですから。
そして、去ってしまった恋人テヒとの間に残された子供チャンに対しても、怒鳴るという形でしかコミュニケーションが取れないホンビンを見ているのはきついんだよな。
ホンビンの心の中に大きな欠落があるのは分かります。
それはテヒが去ってしまったからなのか、あるいは父親との確執の中で生じたものなのか。
でもね、人間誰しも、大きな欠落を抱いて生きているんです。ホンビンだけではないのよね。
ホンビンが怒りという形でしか、世界と関われないということが、どうにも納得がいかないんです、私。
図体だけはでかい子供と言えばそうなのかもしれないけれども。
この「アイアンマン」はチャンいう子供とホンビンの親子関係の構築の物語でもあり、内面は子供のホンビンが愛によって成長する物語でもある。
要するに子供が二人いるんだよね、ドラマの中で。
私、どうもシン・セギョンには死神のイメージが強くって(笑)
「明日に向かってハイキック」以降、彼女の出演するドラマ・映画の相手役はほとんど死んでいるという(爆)
そんな彼女が、今作、心優しき女性となって、怒りでしか世界とつながれない男ホンドンを癒していく・・・らしいのですが、本当かなと疑ってしまっています。
ホンビンは死んじゃうのじゃないかしらと不安・・・
シン・セギョン自身、きりりとした雰囲気を持っていて、どこか愛に対して冷めた雰囲気があるんだもの。
だからそんな彼が怒りの演技をしているというところが、かなり無理無理感を感じちゃってしまっています。
イ・ドンウクとシン・セギョンのカップルとしてのケミストリーは今後生じるのかしら?
誰がどれだが把握できないな~
なんとか3話まで視聴しましたが、今後視聴できるのか、リタイアしてしまうのか。
そもそも何故、タイトルが「アイアンマン」なのか。
まだまだ未知数なドラマです。
by moonlight-yuca
| 2014-09-29 23:21
| アイアンマン