nothing hurt

yuca88.exblog.jp ブログトップ

カテゴリ:■日本ドラマ■( 16 )

その街のこども

a0192209_08582900.png
その街のこども (2010年 日本NHK)









「その街のこども」の記事は新nothing hurtに移行しています。
こちら  →   http://nothing-hurt.com/?p=223

2010年の秋に日記の延長のようなドラマ感想ブログがスタートして、
狂ったようにモリモリ更新したり、突然パタっと書かなくなったり。
思うところあって春をめざして心機一転、お引っ越し中です!
引き続き遊びに来ていただけたら、望外の幸せ♪


yuca 拝




a0192209_22100025.jpg

[PR]
by moonlight-yuca | 2015-01-12 09:50 | ■日本ドラマ■ | Comments(8)

悪貨

a0192209_20381280.png
悪貨 全5話 (2014年 日本 wowow)


■原作:島田雅彦
■監督:権野元
■キャスト
宮園エリカ (黒木メイサ)
野々宮冬彦 (及川光博)
島袋一郎 (林遣都)
郭解 (石橋蓮司)
後藤伸五 (高橋克実)
日笠 (豊原功輔)

【あらすじ】
ある朝、ひとりのホームレスが目覚めると、足元に100万円の札束が入った袋が置かれていた。あっという間に流通していくが、そのカネはニセ札であることが判明。それは最新鋭の鑑定機もすり抜けるほどの精巧なニセ札であるにもかかわらず、明らかにニセ札だとわかるように作られていた。一体誰が、何の目的で作り、ホームレスに与えたのか?
一方、警視庁捜査二課の捜査官・宮園エリカ(黒木メイサ)はマネーロンダリングの疑いが掛かる宝石店に潜入捜査する。捜査線上に、巨額の資金を操る投資家・野々宮(及川光博)の存在が浮かび上がり、接触を図ろうとする。警視庁ではニセ札の出どころを探るため、通称、フクロウと呼ばれるニセ札鑑定のスペシャリストが召喚される。
そこで彼は、ニセ札に込められた自分宛てのメッセージに気付くのだった。
様々な人物の思惑が渦巻くなか、エリカは次第に野々宮の計画へ巻き込まれながらも、彼の真の目的を知ることになる・・・
a0192209_20454456.jpg
ミッチー!
ってことでwowowのオリジナルドラマを視聴しました。このオリジナルドラマ、配役も渋いし、映像も映画のようにアングルも凝っていたりして見応えがあるのですが、毎回思うのはどうにもあっさり味付けなのよね。
TBSとの共同企画の「ダブルフェイス」は、もともと原作が秀逸なので別格として。
wowowとしてはかなり精力的に地上波ではスポンサーの絡みで放映できないような原作をもってきて、ドラマ化をしてくれます。
その意気込みには感動するのだけれども、どうしてこうも毎回あっさりなのかなぁ。
それとも韓国のコテコテドラマに毒されてしまったのかしら、私が。



今回ミッチーは野々宮と言う謎の男を演じているのですが、このタイミングで「ノノ」と聞いてしまうとどうにもこうにも笑いがこみ上げてくるのは、原作のせいでもましてやミッチーのせいでもないのですけれどもね。
県議のノノちゃんが悪いのですけれども。




a0192209_20561201.png
さて本題。お金に惑わされる愚かしい私たち人間の欲望を描こうとしたこのドラマ。
誰にも見抜けない偽札は偽札なのか、それとも本物と言っていいのか。
人間の欲望と通貨は密接にリンクしている。
しかしこのドラマでマネーゲームに全世界が翻弄されている現在の世情を痛烈に皮肉るというわけでもないのは、野々宮とエリカのおとぎ話のような恋愛感情を綺麗に描こうとしすぎたせいかしら。
野々宮が恵まれなかった子供時代、貧乏がゆえに死んでしまった両親の復讐のために日本経済を破たんさせようと目論む影のある男がよ、「君は僕を裏切らないし、僕も君を裏切らない。君だけは裏切らない」
なんて甘ったるい言葉をだよ、物語開始たった4話で語るなんて。
複雑怪奇に屈折した悪役スキーの私からしたら、てんで甘っちょろくて見るに堪えれません。
悪役はだね、悪役に徹しないと。
どこまでも堕ちていく自分自身を冷静に見つめながら、復讐の中でふいに目覚めた恋の嵐に戸惑う。その恋の愚かしさを十分に知りながら、自分の甘さを知りながらも淡々と悪事を進めていく。
これが私の理想の悪役です(笑)



ミッチーの演じる野々宮は、冷徹ににっこり笑って見せる笑顔の端々から、今にもこぼれおちそうな、誰かに助けを求めているような、そんな痛々しさがあふれ出ていました。
しかし痛々しすぎて悪役というには物足りない。





a0192209_21474295.png
黒木メイサって美人なのだけれども、演技は上手いのかしら?
野々宮と潜入捜査官のエリカの互いに互いを欺きあいながらも惹かれあっていく男と女というニュアンスが全く感じられないのが、このドラマがあっさり風味な理由の一つなのかしら。
ミッチーと黒木メイサの相性があまりよくないような感じがします。
どうにもこの二人のやり取りが絵空事に見えてね。




a0192209_21502686.png
フィクサーの郭解のねっとり具合の方が、黒木メイサよりもセンシャルでイヤラシイ(笑)
野々宮の肩に触る仕草とか、ねっちこいまなざしで見つめているさまとか、絶対アッチの関係の人だと思います。
いろいろと妄想が進んでしまう郭解を石橋蓮司が怪演。さすがです。





a0192209_21503485.png
豊原功輔も好きなんです。「ロンバケ」の頃から気になる俳優さんで、「悪い男」にも不思議な役で出演されていましたよね。ガラスの仮面を持って。
しかし何と言っても「時効警察」の十文字疾風が大好きです。
そんな名プレイヤーな彼が日笠というエリカの上司役なのですが、どうにもこうにもおさまりが悪い。
上の言いなりになる出世主義の警察官にも見えないし、真実を追ってひた走る警察官にも見えない。良くも悪くも凡庸な上司なんです。でも豊原さんが演じるからかな、ところどころ狂気のきらめきが見えてゾクッとするのですが。




結局惰性で5話まで視聴しましたが、原作が悪いのか(あ、言っちゃった・笑)、脚本家が悪いのか、それとも主演の二人の相性が悪いのか、なんともいわく言い難い視聴感だけが残りました。
豪華キャストを持ってきて、このドラマの出来はもったいないなぁ。
キャストと映像に力を入れ過ぎて脚本が追いつかない感じがします。
wowowのドラマは毎回チャレンジングだなと感心するのですが、どうにもこうにも記憶に残らないドラマが多いのですよね。
この後のラインナップもすごいのに。
「贖罪の奏鳴曲」(三上博史)、「硝子の葦」(相武紗季)、「翳りゆく夏」(渡部篤郎)、「天使のナイフ」(小出恵介)。
ほらね江戸川乱歩賞の作品が軒並みラインナップだよ。
どうかあっさり風味に味付けせずに、心を揺さぶるようなドラマに仕上げてほしい。



★★

[PR]
by moonlight-yuca | 2014-12-24 19:31 | ■日本ドラマ■ | Comments(2)

a0192209_1702928.jpg


小池真理子のエッセイからかつて少女だった私は様々なことを教えてもらった。
モラヴィア、グリエ、デュラス、倉橋由美子、開高健、安吾、ミシマ・・・ 
「知的悪女のススメ」と銘打った数々の本は、知性と品格と色気と、そしてどうしようもないくらい絶望的な恋に陥る男と女の世界を垣間見せてくれて、こんな大人になるのね、とドキドキしていたものだ。

そんな小池自身はエッセイストとしての自身のあり方に忸怩としたものがあったようで。
エッセイストともてはやされるのとは、逆にエッセイを出版しなくなった。
そして、ある時ひっそりとミステリー小説を出版する。
彼女が敬愛してやまなりカトリーヌ・アルレーのような、ビターなミステリー小説を。
ミステリー小説を書き進めていくうちに、小池が本当に書きたいテーマをみつけて。
「無伴奏」「恋」を発表。
愛に囚われた人たちの、日常が、実はミステリーだということを描き始めたのだ。
「恋」は衝撃だった。官能と純粋と、妄執。
すごい作品だなぁ、と思っているとあっという間に直木賞受賞。




その「恋」がドラマ化された。
井浦新と石原さとみ、そして田中麗奈。
2時間ドラマのサガではあるが、このドラマは小説「恋」のエッセンスだけが残っていた。
あの狂気の瞬間、あの情愛の瞬間、あの憎悪の瞬間が全て抜け落ちたエッセンスだけが残っていた。
仕方がないことだけれども。


エッセンスだけでも十分堪能したけれども。
ドラマはドラマで面白かったけれども。


なぜ、あさま山荘事件と同じあの日、あの瞬間に、憎悪が迸ったのかは、ドラマからは推察できない。
たんなる痴情のもつれではない。
「ローズ・サロン」を夢想した女と、理想のセクトを目指した連合赤軍メンバーが、同床異夢の相似形ということが。
男を愛する女よりも、男と女と女が作り上げる関係に恋をした女は、なんて不毛で、そしていじらしく、そして残酷なんだろうか。
理想の関係に恋をする女の絶望的に報われない、「恋」の話。



そんなことを思った、冬の夜。

★★★



[PR]
by moonlight-yuca | 2014-01-08 20:12 | ■日本ドラマ■

Q10

a0192209_21475310.jpg
Q10 全9話 (2010年 日本)

■プロデューサー:河野英裕
■脚本:木皿泉
■キャスト:
深井平太(佐藤健)
Q10(前田敦子)
小川訪(田中祐二)
柳栗子(薬師丸ひろ子)
小川しげ(白石かよ子)

【あらすじ】
平凡な高校3年生の深井平太は、ある日理科準備室で女の子の姿をしたロボットを起動させてしまう。平太によりQ10と名付けられたロボットは、平太から人間について教えられ、学び始める…。
a0192209_21435897.jpg
 あー、やっぱり木皿泉って、心にすとんと言葉が入ってくる脚本家だなぁ。
いいなぁ。

「モンスター」→「3月のライオン」ときて、無性に学園モノが視聴したくなってとっておきの「Q10」視聴しました。


木皿泉の同じ学園モノ「野ブタ。をプロデュース」では、人間の「悪意」というものを苦く描いていたのだか、「Q10」ではむしろ生きていくうえでどこからともなく発生する「悪意」ではなく、ただただいつかやってくる「別れ」について9話を通して語っているような気がします。

それは脚本家木皿泉の心境の変化なんでしょうね。
「野ブタ。」では、パートナーと共に世界と(悪意と)闘っていた彼らが、大福さんの闘病を経て「Q10」では、互いが一緒にいられる時間はあとどれくらいだろうか、という愛おしさと哀しみに変化してきたという。

「Q10」はどんなに大切に思っていても、どんなに失いたくないと思っていても、いつかはやってくる「別れ」について描いている物語なんです。
それは誰しもが出逢った瞬間に、別れに向かって歩いていっているんだという、悲しさ。
生きているって悲しいよね、まるで数々の別れを経験するために生きているかのようであり。


木皿泉の最近の作品、「昨夜のカレー、明日のパン」、舞台「君ほほえめば」でもそういう別れへの、どうしようもない人間の悲しさを描いているのよね。

だからこそ、♪ いつも幸せすぎたのに 気づかない2人だった ♪(さらば恋人)その一瞬一瞬の幸せの時間を、後悔がないように大切に過ごそう、と手を変え品を変え、私たちに木皿泉は語りかける。
彼らの作品には、いつも日常のしあわせが丁寧にすくい取られているけれども、その日常の向こうに、あの世の深淵が見えるような気がする。
この世とあの世の境目のぎりぎりで、踏みとどまって、前を向いて、笑って生きようよ。
そんなメッセージを感じる。

木皿泉のドラマは名言の宝庫でもある。
恋は革命ですよ。
自分の中の常識が全部ひっくり返ってしまうようなものなの


ポッカリ開いた空洞はその先ずっと満たされない。
だけどそれは大切な人がいた証拠だ、大切な人のために生きた証拠だ。
全てが満たされていたと思っていた子供時代にももう戻れないのかもしれないけど俺はそれでいい。


本当に怖いのは、不幸そのものではありません。
一番怖いのは不幸になった時、考えるのを止めてしまう事です。
つまり、一番の敵は自分の中にあるのです。


明日の匂いがする。


うん。セリフを抜き出すだけでも、泣けてきちゃう。


木皿泉のドラマはいつも「自分の居場所はどこにあるの? 私はここにいていいの?」がテーマである。
誰もが持っている世界に対してのこの不安に、「いてよしッ!」と断言するんだ。
だから救われるの、私も。
ああ、こんな私でも、この世界にいていいんだ、と受け入れてもらう喜びをいつも作品から感じます。


2013年は木皿泉にとって、かなり精力的に(驚くぐらい!)活動された1年でもあり、ファンとしては至福の1年でもありました。
本にドラマに映画に舞台にと。

2014年は薬師丸ひろ子出演の舞台「ハルナガニ」がやってきます。
でも願わくば、また連続ドラマを視聴したいなぁ、と思います。



[PR]
by moonlight-yuca | 2013-12-27 22:29 | ■日本ドラマ■ | Comments(2)

ぶきようで、ぶっさいくな愛しかた

「ストロベリーナイト」では、もちろん菊田なんだけれども。
あ、でも牧田もいいのよね・・・どちらも選びがたい・・・(笑)
そんなことを常々思っていた私に、まさかの井岡がハートを撃ち抜いた。



a0192209_19382142.jpgワシかてアホやないで。
玲子ちゃんが高嶺の花だということはわかっとる。それに玲子ちゃんがワシのことを男として見てへんちゅうことも、重々承知のすけや。
けどな、康平。
ワシは玲子ちゃんになんぼ邪慳にされても、ずっと玲子ちゃんのこと一生あきらめへん。それだけは絶対ぶれん。
康平、お前も簡単にあきらめるな。いつか、いつか、振り向いてくれる日が、その日が来るまで、ひたすら黙って思いつづけたらええねん。
そんなぶきようで、ぶっさいくな愛しかたがあってもええんちゃうかい。


まあ、もともと生瀬さんは大好きなんですが・・・「ストロベリーミッドナイト」で井岡にハートを撃ち抜かれるなんて。
かっこいい~♪ (その後のお約束のオチも含めて・笑)
姫川班って、いいなぁ・・・


■■■■■

a0192209_19482642.jpg

「泣くな、はらちゃん」もいいんですよ~ 
まさに「ぶきようで、ぶっさいくな愛しかた」なんです。
長瀬君が、ここまで顔が崩れるの~!といったような怪演を見せてくれるんで、クスクス笑いながら見ていますが、いつしか心がじんわり温かくなるのよね~
こういうドラマって、大好きだわ。

世界じゅうの敵に降参さ 戦う意思はない
世界じゅうの人の幸せを 祈ります

世界の誰の邪魔もしません 静かにしてます
世界の中の小さな場所だけ あればいい

おかしいですか? 人はそれぞれ違うでしょ?
でしょでしょ?

だからお願い関わらないで そっとしといてくださいな
だからお願い関わらないで 私のことはほっといて


この歌を聞いた時、鳥肌が立ったわ~
牧歌的なメロディラインとはウラハラな、ネガティブな感情。
ヒロインの越前さんのマンガのネームなのですが。
彼女は、世界との闘いを放棄して(ということは、世界と関わりを持ちたくないという意味だ)、自分が傷つかないように息をひそめて、生きているのだけれども。何が彼女をそんなに傷つけたのだろうか。
そして、そんな越前さんを癒してくれるのは、この世界のことを何も知らないはらちゃんなのよね。

世界のことを知らないはらちゃんだからこそ、この世界の成り立ちを越前さんに問いかけていく。
はらちゃんは越前さんの二次創作物なのだけれど、そのはらちゃんが創造主の越前さんを現実に、世界に関わらせていくという設定が、たまらなくいい。

「胸が痛いのはなぜなのか」
「両想いになるにはどうしたらいいのか」
「どうしたら自分のことを好きになってくれるのか」

小さく閉じこもっていた越前さんが、はらちゃんに心を開いていくさまが、なんともみずみずしくって、抒情的で、笑えて、そして泣けてくるのよね。
自分のこの気持ちはなんなのだろうか、とゆっくり自分に問いかけて心を開いていく越前さん。
世界と関わろうとする越前さん。
いいドラマです。

展開が意外に早く、3話ラスト、はらちゃんは、この世界の成り立ちに気付き始めて・・・
どうなるのだうか。気になるドラマです。

毎話、動物が登場するのもツボ。犬、猫、カメときて・・・
[PR]
by moonlight-yuca | 2013-02-03 20:40 | ■日本ドラマ■ | Comments(0)

僕たちの失敗・・・高校教師


「高校教師」・・・1993年の作品。覚えているかい?

あれからずいぶんたち、僕たちは大人になった。なんて遠くに来てしまったのだろうか。


今でも、この曲を聴くと、僕は体がぎゅっと、縮こまるような、
身の置き所がないような、そんな切ない気持になる。
あの2人が、繭と先生が、どうか、幸せでありますようにと、そっと願う。

[PR]
by moonlight-yuca | 2012-11-08 00:43 | ■日本ドラマ■ | Comments(4)

ダブルフェイス偽装警察編

a0192209_2281993.jpg
ダブルフェイス (2012年 日本TBS-WOWOW)
「インファナル・アフェア」のリメイク作品

■監督:羽住英一郎
■脚本:羽原大介
■キャスト:
西島秀俊(森屋 純)
香川照之(高山 亮介)
角野卓造(小野寺)
小日向文世(織田 大成)

【あらすじ】
高山亮介(香川照之)は、若い頃に織田大成(小日向文世)率いる織田組に拾われ育てられてきた。織田の命令に従い警察官となった亮介は、県警で順調に出世をし、警察の内部機密を織田に流す活動を続ける。そんな中、亮介は織田の指示で有力政治家の娘・末永万里(蒼井優)に接触。自由奔放な万里に心を揺さぶられ、自分の生き方に疑問を持った亮介は、やがて織田との関係を解消したいと願うようになる。
一方、長年、織田組で潜入捜査を行ってきた警察官の森屋純(西島秀俊)は、警察と織田組の衝突以降心を通いあわせた医師の奈緒子(和久井映見)とも連絡をとらず、生きる場所を見失っていた。
亮介は潜入捜査官と思われる純への連絡に成功。彼と手を組み、自らの人生から“闇”を取り除く計画を思いつく…。そして、2つの顔を持つ2人の男の、自らの存在意義と人生をかけた最後の戦いが始まるのだった。

a0192209_22154647.gif

よかったなぁ。「インファナル・アフェア」のリメイク作品なんて、今更・・・なんて思っていた不明を恥じます。
映像、カット、音楽、すべてに無駄なものを省き、研ぎ澄まされている。
「潜入捜査編」も「偽装警察編」も、ファーストシーンは雨の中から始まる。
この「雨」も意味があるんだろうなぁ。

世界からの孤立を表している。罪の隠ぺいを、自分の出自の隠ぺいを表している。闇に堕ちている自分に対する憐みの涙を表している。
「雨」一つとっても、深い意味が込められているし、同じように、「インファナル・アフェア」を本歌取りしながら、さまざまなキーワードをちりばめることで、この作品は違った奥行きが出ているよね。

「インファナル・アフェア」では、ねっとりした暑さの中、香港返還前後の香港の諦観、不安、狂乱が視聴者を息苦しくさせる。
「ダブルフェイス」は、その点、スタイリッシュすぎて、果たしてそのじっとりと身にまとわりつくような焦燥感というのは伝わってこない。ただ、光と闇の陰翳を執拗に映像で表現することにより、どこまでも、闇に沈んでしまっていこうとする男たちの、悲しさは伝わってくる。

「花火」「雨(水)」「シャンパン」「ラーメン」「刺青」「花束」「ガルシア・マルケス」・・・ひとつひとつのキーワードからは、ただただ悲しさだけが伝わってきて、切ないなぁ~
特にガルシア・マルケスには、ぐっときました。

(続きは結末に触れています)

More
[PR]
by moonlight-yuca | 2012-10-27 23:03 | ■日本ドラマ■ | Comments(2)

ダブルフェイス潜入捜査編

a0192209_2302630.jpg
「ダブルフェイス潜入捜査編」視聴。
そもそも、続きはWOWOWで、と知っていたのですが、いい所で「続く」ですね~
そしてWOWOWサイトにアクセス集中で、繋がらない(笑) 皆、一斉にアクセスしているのね。

もう、これは、やっぱり脚本が素晴らしい、としか言いようがない作品。「インファナル・アフェア」を何度も視聴していて、この物語の行きつく先を知っているのですが、やっぱりいつしか、固唾をのんで視聴していました。
3部作で綺麗に、円環を作っている作品なので、何をいまさら日本でリメイクなの。
なんて思っていましたが、やっぱり面白い。
いつしか、主人公たちの、命がけの駆け引き、じりじりとした焦燥感がこちらにも伝わってきます。忠実にリメイクしているよね。

香港が舞台の「インファナル・アフェア」に比較すると、横浜の街は整然として、綺麗で、あのねっとりした息苦しさは伝わってはこないけれども、とにかくスタイリッシュな映像。
どこまでも闇に落ちていきそうなところで、踏みとどまっている森屋(西島秀俊)が、痛々しい。
彼の顔は常に影になっていて、時折その顔に、光がさす映像は、果てしなく闇に沈みながら、それでもその心は光を求めている森屋の心情を表しているのか。

トニー・レオンと比べるのもなんですが、アイデンティティを見失って気が狂う寸前のヤンにも、きりきりと胸が痛んだのですが、西島演じる森屋の、今にも心が砕け散りそうな佇まいにも、涙をそそります。
冒頭の雨に濡れた捨て犬は、アンダーカバーの2人を表しているんだよね。
どこにも自分の帰属する場所がない、どこの組織にも属さない、自分を見失った2人を。

a0192209_23162913.jpg
高山(香川照之)のふてぶてしい様子にも、脱帽。しかし、ふてぶてしすぎて、視聴者の共感は得られるのかは疑問。
アンディ・ラウはそれはそれは、美男でしたから。トニー・レオンとアンディ・ラウの美形対決で、胸が痛くなったんだからね。
香川さんの佇まいは味がある(笑) 「偽装警察編」では、その魅力を如何なく発揮されるといいなぁ。
打算と帰属意識に苦しみ、選択していく高山をどう演じるのか、楽しみ。

a0192209_23223243.jpg
「ストロベリーナイト」の菊田は姫川がいるから、安定感があるのね。姫川がいない菊田は、こんなすがりつきそうな、哀しみが溢れだしそうな瞳をしながら、手に入らない「普通の生活」に憧れながら、闇に染まりすぎて見失った自分を探しながら、一人、孤独の中で立ちすくんでいるのかもしれない。

「ストロベリーナイト」に続き、西島秀俊の魅力にノックアウトされた「ダブルフェイス」
森屋の行きつく先は、闇なのか、光なのか。(結末は知ってますが・・・)
彼が悪夢に苛まされることなく、穏やかになれる日が来るとといいなぁ、と祈りつつ。


追記・エンドロール見るまで愛人が伊藤かずえだと気づきませんでした・・・(笑)
[PR]
by moonlight-yuca | 2012-10-15 23:26 | ■日本ドラマ■ | Comments(6)

世界が滅んだら、きっと僕は、船に乗らない

「地球が滅びてね、一艘の船があります。つまりノアの箱舟だね
その船に自分ともうひとりだけ連れてっていいのね
次の動物から選びなさい
馬、孔雀、虎、羊
…心理テストなの
自分が何を一番大事にしているか、何を求めているか
馬はね、仕事。孔雀はお金だって。虎はプライド。羊は愛情だよ
男の人の場合はね、羊って答えた人だけが女の子を幸せにしてくれるんだって」
「世界が滅んだら、きっと僕は…船に乗らない」

a0192209_19385627.jpg

こんなクリスマスの晩にはこっそり願いをつぶやいてみる。
このドラマが、もう1度観たいのです、と。

例えば韓国ドラマでも、華流ドラマでも、最近では視聴したいものはほとんど観れる。
(もっとも華流ドラマの古いのはすぐツタヤの店頭から消えていくけれども・・・)
しかし、何故か、あの頃輝いていた日本のドラマのいくつかは未だDVD化されてないのよね。
このドラマも十分「廃人ドラマ」だと思うのだけれども。
あの頃の野島作品は「廃人ドラマ」だったわよね。「高校教師」「人間・失格」・・・
そして「この世の果て」
このドラマが月9で放送されていたなんて、今考えればすごいこと。
ここまで自己犠牲の愛を描こうとした作品は、昨今、お目にかかれないのじゃないのかしら。
上記の写真を見るだけで、分かる人には分かる号泣、衝撃のラストシーン。

a0192209_19593010.jpg三上クン目当てで視聴し始めたドラマだったけれども、「NIGHT HEAD」で気になっていたトヨエツの神矢征司役で私の中で彼は一気にブレイク! 今に至ります・・・
格好よかった神矢さん。
「俺は、十人の男と付き合える女より
ひとりの男と十年付き合える女が好みでね」


泣いているのか?
哀れな奴だ
おまえは一生後悔して生きるだろう
世の中には星の数ほどの女がいる
しかし、その中におまえのために命さえ差し出すような女は他にひとりもいない
ただのひとりも
おまえは自分の犯した罪と、失ったものの大きさに苦しみ続けるんだ
たとえまた生まれ変わったとしても
未来永劫に

士郎よりも神矢さん!
この頃から、報われない愛を捧げる2番手男子にのめり込むようになったのね。
モノローグ、セリフが秀逸な脚本、豪華な俳優、尾崎豊の「OH MY LITTLE GIRL」
全てが絡み合って奇跡のような、作品だった。
そんなドラマをホワイトクリスマスの晩に思い出す。



ネットでは視聴できますけれどもね、カット版が。ノーカットDVDで欲しいなぁ。
[PR]
by moonlight-yuca | 2011-12-25 20:12 | ■日本ドラマ■ | Comments(2)

世の中を忘れたような蚊帳の中・・・しあわせのカタチ

a0192209_23505498.jpg

たったひとつだけ、私が帰るウチがある。奇跡だよ

「しあわせのカタチ~脚本家・木皿泉 創作の“世界”~」
「野ブタ。をプロデュース」など、若者の間で大ヒットしたドラマを手がけた脚本家・木皿泉。実は、和泉務と妻鹿年季子という50代の夫婦だ。神戸に住む2人は、常に会話を交わし、時にぼやきながら、人の心の琴線に触れる台詞(せりふ)を紡ぎ出す。夫婦の日常と制作の現場をのぞくとともに、ふたりの姿を投影した書き下ろしドラマを交え、人気脚本家の創作の秘密に迫る。ドラマ出演は、薬師丸ひろ子、田中哲司。
【出演】和泉務,妻鹿年季子,薬師丸ひろ子,田中哲司 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

木皿節炸裂。夫婦のしあわせのカタチ。

人間は孤独で、どうしようもない孤独を抱えて生きていくしかないのだけれども、
よりそう相手がいたら、それもまた、孤独の中のしあわせのカタチのひとつ。
自分の生きている軌跡と相手の軌跡をすり合わせていくことで、奇跡が生まれる。
すり合わせていくには、何も言葉だけではなくて、1冊の本を共有したり、
1枚のヒレステーキだったり、「なんでも買ってよし券」だったり、「この世の果ての蚊帳」だったり。
なんでもない日常の中に見過ごしがちな、ありきたりのもので、
しあわせを表現するのが、やっぱりうまいなぁ。木皿泉。

ドラマの手法として、笑わせて泣かせる振り子の幅が大きいほど、感動させるけれど
木皿泉はちょっと違う。日常のありふれた光景を切り取って、感動させる手法は絶品。

しかし、街の夜景を見ているとひとつひとつの灯りにそれぞれの人生があるんだわぁ、
といつも感じるのですが、それを疎外感や孤独感にするのではなく
自分はその灯りの一つに「帰るべき場所がある」と帰属感に転じさせるのがウマイ。


「蚊帳」=この世の果て、といきなりモチーフが提示されて、ドキッとしたなぁ。
彼らの作品には、いつも日常のしあわせが丁寧にすくい取られているけれども
いつもその日常の向こうに、あの世の深淵が見えるような気がする。
この世とあの世の境目のぎりぎりで、踏みとどまって、前を向いて、笑って生きようよ。
そんなメッセージを感じる。


[PR]
by moonlight-yuca | 2011-11-13 00:10 | ■日本ドラマ■ | Comments(0)
line

blogお引越ししました。


by yuca
line