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カテゴリ:恋愛は少女マンガで教わった( 15 )

ちはやふるスキップ・ビートで溺れるナイフ

やってみないとわかんないよ!
でも やってもやってもわかんないよ?
私なんか45年やってもかるたのことがよくわからないずうっと ずうっとわからないわからないから やるんだよネ


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ちはやふる(末次由紀) 1~25巻マデ


【あらすじ】
小学6年の綾瀬千早の夢は、お姉ちゃんの千歳が日本一のモデルになることであった。
しかし、福井から来た転校生・綿谷新に「自分のことでないと夢にしてはいけない」と諭される。そんな新の夢は競技かるたで名人になり、日本一になることであった。真剣にかるたに臨む彼の姿に感化された千早は、幼馴染の真島太一も巻き込んで、かるたの魅力へ惹きこまれていく。

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実はこのブログでドラマ感想・考察よりもひそかに人気があるカテゴリ「恋愛は少女マンガで教わった」
そういえば、最近全然まんがの感想を書いていないなぁ、と思い出しました。
いつかは三原順の「はみだしっ子」と内田善美の「星の時計のLiddelle」をがっつり考察したいのですが、この漫画という枠にとらえることができないあまりにも深い物語に歯が立ちません。



で、気を取り直して最近の少女漫画のブームを追ってはみたのですが・・・
カワユイ物語だなぁ、とは思いますが、どうにも目がすべってすべって、さして面白いとは思えないのです。
まあ、この歳になってハイティーン、ローティーンのときめきに共感しようという行動自体が間違っているのか。
もう少女まんがにはついていけない世代になってしまったのか、と愕然。



日々蝶々になって、オオカミ少女と黒王子を横目で見ながら、アオハルにライドしようとして、ぜんぜん乗っかれないアラフォー(笑)
いやあ、もうマーガレット系の少女マンガがどこがおもしろいのかさっぱりわからん(笑)
マーガレット系の漫画って多田かおるの「イタズラなkiss」という大傑作を継承してきた、由緒正しき「ツンデレ男子」という系譜があるとは思いますが、様々なツンデレ男子にメロメロになってきた当方にとって、「どこがツンデレ?」と物足りない。
「ツンデレ男子」を極めてきた当方にとっては、求むツンデレ男子!なのですがね。



小学館のショウコミ系はまゆたん以降、こちらが赤面をするほど赤裸々なシーンで相変わらず度肝を抜いてくれます。
なんか、もうショウコミにはタブーはないのかしら・・・(笑)
そもそも「風と気の詩」で、少女マンガという概念を、いえ恋愛の概念をひっくりかえしてくれた週刊少女コミックですもの。
タブーを破るのはお得意なのでしょう。


結局、昔なじみの漫画家さんの作品に戻ってくるんですよね~



「ちはやふる」、今更私が感想を書くまでもなく現在進行中の名作であります。
今まで手に取ってこなかったのは、読まず嫌いだったのかな。
なんかさ、やっぱりスポ根マンガはいいよ~
自分が何者であるか、という青春テーマの真髄をがっつりと押さえて展開していきます。
高校生の主役たちではなく、彼らを見守る大人たちも、実はまだまだ自分が自分であるために戦っていて、そこらへんを丁寧に描いているのがまたいいなぁ。
20巻以降にヒロイン千早の師匠原田先生の戦いがクローズアップされてきて、面白さも倍増。
競技かるたを通じて、自分の中の愛を知り、世界への愛を知り、泣けてきます。


熱くなれるマンガってやっぱりいいなぁ。
そしてこっそり、恋愛センサー皆無のカルタバカの千早ちゃんをめぐる男子二人がまたかっこいい。
カルタ界のサラブレッド新と努力と頭脳で才覚を表してきた太一。
このマンガを読む女子はきっと新派と太一派に分れるんだろうな~、と思います。
主役たちも熱血で大好きなんですが、大人たちの語録もとても深く心に染みいるのよ。
冒頭のセリフは先生の言葉なんだけれども、まさに私のマンガ探求も「長年読んでもマンガのことがよくわからないずうっと ずうっとわからないわからないから 読むんだよネ」の境地かもしれない(笑)


■最近読んだ少女(少年)マンガ ビボウロク■

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スキップ・ビート(仲村桂樹) 1~34巻マデ
華ドラにもなっている「スキップ・ビート」一気読みしちゃいました(笑)
The 少女マンガ、という感じで、少女マンガを読むテクニックがないと厳しい作品かもしれない。
だって、ヒロインは女優でいろいろな役を演じるのだけれども、その度に髪型、顔、スタイルがころころ変わるんだもの(笑)
しかしこの物語、「恋に落ちると愚者になる。だからその気持ちは心の奥に閉じ込めて鍵をかける」というヒロインの在り方と、過去の取り返しのつかない自分を捨て去り俳優敦賀蓮を演じるヒーローの生きざまが非常に面白い。
二人とも本当の自分を押し殺して、捨て去り生きていたのだけれども、そんな自分の抑圧のタガが外れた時にどう変化するのか。
34巻かかって、ようやく恋を自覚した二人(なんてスローペース!・笑)の今後が気になります。
恋に落ちると、自分のそれまでの世界感が激変する、その時の茫然自失な感じと恐怖と、そしてそれでもなお心が震える様をビビッドに描いてくれているのよね。






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溺れるナイフ(朝倉ジョージ) 全17巻

朝倉ジョージって天才だと思います。
恋の汚いところ、訳のわかんなさ、苦しさをあますところなく描いて息が詰まるくらい。
少年少女の恋の行きつく先が、思春期の嵐に巻き込まれ、なんとも生々しく、それでいて切なく美しいのよね。
読みながら、どこか中上健二の作品に似通っているんだよな、と思いました。
土俗的とでも言うのでしょうか。
恋は実は二人だけの間に生まれるのではなく、その土地の影響、そして何よりも「血」の影響も強く受けているのだ、っていう感じが新鮮で面白かったなぁ~

最近読了した「泡沫の夏」上巻においても、主人公の男の子を「神々しい」みたいな表記があったのだけれども、好きな相手を神格化するのは万国共通か。
ヒーローはツンデレ男子をとっくに超えて「神サン」になっちゃっているものね。








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逃げるは恥だが役に立つ(海野つなみ) 1~3巻まで

いや、サイコーに面白い!
韓ドラファンの大好物「契約結婚」がテーマなのですが、ここではヒロインが就職先として結婚という制度を選ぶのよ。
愛情を抱いていない(友情はあるのか?)ビジネスライクの相手と結婚。
頭もいい、見目も悪くない、ただプライドが高く女性とうまく距離感をつかめない34歳の草食系童貞クンがヒーローだと言うのも、オカシイ。
こじれにこじれた思考回路のヒーローと心理学に長けているヒロインのやりとりが、恋愛の駆け引きというよりはビジネスの取引といった感じでとっても斬新。
しかしながら今の日本の抱える少子化問題、女性の結婚問題といった日本の抱える闇にも楽しく深く切り込んでいるんだよなぁ。
久々のラブコメ(?)ヒット作です。
ついに結婚というビジネスだけではなく、恋人関係というビジネス契約を結ぼうとしている二人。
通常の恋愛物語とは全く逆の順番から始まった2人が恋に落ちるのか?
楽しみです。







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by moonlight-yuca | 2014-08-24 21:27 | 恋愛は少女マンガで教わった | Comments(26)

3月のライオン

ゼロだって━
ヘンな名前ぇ━
・・・でも、ピッタリよねアナタに
だってそうでしょ?
「家も無い」
「家族も無い」
「学校にも行って無い」
「友達も居無い」
・・・ほらアナタの居場所なんてこの世の何処にも無いじゃない?



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3月のライオン March comes in like a lion 羽海野チカ

東京の下町に1人で暮らす17歳の少年・桐山零。彼は幼い頃に事故で家族を失い、心に深い傷を負ったまま将棋のプロ棋士となり、孤独な生活を送っていた。養父・幸田の家に居場所を失くし、一人暮らしを始める零は、川本家の3姉妹あかり・ひなた・モモと出会う。

幸田家との異常ともいえる関係や、他人を踏み台にして高みへと昇り続ける『将棋の鬼』とも言える自らの魔性と周囲からの疎外感に苦しみ続ける零は川本家との交流、様々な棋士との対戦を経ていくうち、失っていたものを少しずつ取り戻していく。(wikiより引用)

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遅ればせながらですが、「3月のライオン」9巻まで読了。本当に遅ればせながらだ。
数々のマンガ大賞を受賞した本書に関して、ずっと気になっていたけれども少女マンガ(これはヤングアニマル掲載だから青年/少年マンガのカテゴリー?)を読まなくなっていたのよね。
その代わり韓国ドラマに夢中になり、ブログで感想を書いてみたりしていたけれども。

前作の「ハチクロ」でも感じましたが、甘い絵柄の割になんともビターな世界観を持ってらっしゃる作者だなぁ、とずっと私の胸の片隅にかさぶたのように残っているマンガ家さんの一人が羽海野チカなんです。
甘さとほろ苦さが入り混じっているこの独特な風味は、読みだすと癖になります。
「ハチクロ」でも色々なテーマを描かれましたけれども、中でも「天才」の壮絶さ、孤独、悲哀、そして一瞬の輝き、に胸を撃たれたものでした。
そして、「3月のライオン」ではさらに、「天才」を突き詰めて描こうとしているのか。
選ばれし者の果てを求めて、どこまでも墜ちていきそうな、狂おしいほどの熱情を。


主人公桐山零が自分の居場所を探し求める物語であることは、物語の冒頭に示されている訳です。
ゼロである=何も持っていない少年が、将棋しか持っていない少年が、それ以外の世界にも目を向け、大切なものを得ていく物語であるということは冒頭から暗示されています。
人と関わっていくことが不得手な零が、唯一世界と関わっていく手段が将棋なんです。
「一手一手 まるで素手で殴っているような感触がした
殴った肌の あたたかさまで 生々しく残っているような気がする」
しかし将棋を通してのコミュニケーションは、彼自身の心をも切り裂くようで、ますます闇に墜ちていくようで、そんな痛々しい少年なんです。

将棋がそれぞれの棋士の生き方そのものであることが、またなんとも言えず読んでいて胸を揺さぶるのです。
棋士たちがその一瞬一瞬の勝負に全身全霊をかけ、まさに人生をかけて、闘っていくさまには涙が出て、涙が出て。圧巻。
零が周囲の棋士たちとの勝負から一つ一つ、生きていくとはどういうことか、自分が守りたいものは何かを、知っていく物語なの。
まあ、この棋士たちが、これまた奇人変人ぞろいで(笑)、その偏屈ぶりを笑いながら読んでいると、ふいに直球で彼らの将棋への情熱、執着、苦しみ、そして栄光がわかり涙するという。
笑いと泣きのブレンドの物語が、相変わらず絶妙なんだよなぁ。

零は初めて、自分を受け入れてくれる人を見出し、その人を守りたいと思い、(・・・まあ、しかしトンチンカンな方向で守ろうともしているところが微笑ましいのですが)、そのために自分がきちんと将棋の世界で闘っていくという自覚が芽生えてきました。
この先、どうなるんでしょうかね。

将棋に魅入られた零は、「ハチクロ」の森田やはぐのような選択をするのか?


なんだか読んでいると胸がいたくなり、胸が暖かくなり、愛おしい。そんなマンガです。





■最近読んだ少女(少年)マンガ ビボウロク■

カノジョは嘘を愛しすぎている(青木琴美)1~13巻マデ
ムショーにフラワーコミックス系のマンガが読みたくなる時があるのよね。読後は後悔するのに(笑)
フラワーコミックス系マンガで感心するのはタイトルの付け方が秀逸だということかしら。
センシャルで衝撃的で、キャッチャーなのよね。つい手に取って読んでみたくなる。
「カノジョ」はサブタイトルもものすごくこだわっていて、タイトルフェチ(なんです私)としてはソソられまくりです。
肝心のお話はというと、映画にもなるくらいですからある程度は面白いですが、半年もすれば内容を忘れてしまいそうな気もします。
歌の才能を見いだされる少女という設定は、テニスの才能を見いだされた岡ひろみの「エースをねらえ」の芸能界バージョンでしょうか。ヒロインは努力せずともほとんどの登場人物のヒーローに愛され、愛に裏切られたヒーローはヒロインによって愛し方を知る。
今も昔も変わらない、少女の萌えストーリーなんでしょうね。
今風なのは、ヒロインのライバルがセックス依存症ってことかしら。続きは機会があれば読むかも。


惡の華(押見修造) 1~9巻マデ
噂にたがわず面白い。思春期のもやもやした訳のわからなさ、気持ち悪さ、絶望、この世の果てに行きたいという破滅願望、余すところなく描かれている。
まだまだお話は起承転結の「承」のような気がします。全く先が読めないマンガで続きが非常に気になります。


失恋ショコラティエ(水城せとな) 1~7巻マデ
やっぱり面白い水城せとな。「俎上(そじょう)の鯉は二度跳ねる」というBL史上最高傑作マンガを描いた作家が描く恋愛マンガは、一見普通の少女マンガのようでいて捻ってるんだよなぁ。
ここまでショコラがセンシャルなものだとは、気づきませんでした、私(爆)
恋愛至上主義のように見せかけて、実はビターな人間関係を描く作者の真骨頂でしょうか。恋愛すらも実は自己愛の延長なんだという、アイロニー。
来年の月9でもありますね。石原さとみちゃんが魔性の女サエコなのね。ドラマは見るかどうか分かりませんが、マンガの続きは気になります。


ぴんとこな(嶋木あこ)1~10巻まで
はて、これはBLなのでしょうか、やっぱり。ここまでBL臭さを出されると、逆に引いちゃうけれどもな。ヒロインの存在意味がよくわからないマンガです。続きは読まないな。


 
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by moonlight-yuca | 2013-12-15 19:32 | 恋愛は少女マンガで教わった | Comments(2)

キャンディ♥キャンディ(追記・修正あり!)

ごめんなさいです。嘘を書いていました。末尾に追記・修正しております(^_^;)
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キャンディ♥キャンディ  原作:水木杏子 原画:いがらしゆみこ

【あらすじ】
おてんばだけれど陽気でかわいいキャンディは、孤児院「ポニーの家」から、お金持ちのラガン家にひきとられます。でもそこでまっていたのは、ニールとイライザのいじわるなしうちばかり。じっとがまんするキャンディでしたが、ある日、幼い日、丘の上であった王子さまとそっくりな少年、アンソニーがあらわれます。そして……。ゆめがいっぱいのスイートロマン!


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言わずと知れた韓国ドラマのルーツとも呼ばれている、光り輝く少女マンガの殿堂入りの作品。しかし、今となっては、あらすじの「スイートロマン!」って文句がやけに空々しい「キャンディ・キャンディ」

ご存知の通り、2人の原作者間での著作権争いが、そりゃー、もうすさまじいくらいの勢いで沸き起こり、裁判騒動前後あたりは、韓国ドラマのマクチャンドラマのようでもありました。
マンガでもリアルでも、韓国ドラマのルーツたらんとするその心意気はあっぱれと言うしかないのか。


少女の頃って、「なかよし」派と「りぼん」派に別れて、どっちの雑誌が面白いかと友人と口論したものです(苦笑)
あの頃の「りぼん」ってちょっとお姉さんの香りがしていました。
なんたって一条ゆかり大御所の「砂の城」が連載されていましたし、陸奥A子の乙女チック路線なんてのもあったわね。
それに比べると「なかよし」は元気なはつらつ少女がヒロインで、「キャンディ♥キャンディ」は看板マンガでしたよね。


そんな「キャンディ♥キャンディ」が、著作権騒動のあおりを喰らって今では絶版になっているなんて(号泣)
出版界のシビアな絶版制度には、いつも涙をのんでいるのですが、あの光輝く「キャンディ♥キャンディ」がまさか封印されるなんて、思ってもみなかったなぁ~
キャンディは永遠に不滅だし、ページをめくれば丘の上の王子さまに大人になっても会えるんだわ。と思っていたのに・・・
原作者たちの著作権争いは、もうそのまま利権と意地とプライドの三つ巴となって、決着がつきそうにないわね。

その後の、水木杏子といがらしゆみこの迷走ぶりは、下手なレディースコミックよりもどろどろとした人間の欲望に彩られて、目が離せません。
いがらしゆみこの次作、井沢満が原作の「ジョージィ!」も、少女マンガにしてはなんだかぶっとんだラストで少女だった私は度肝を抜かれました。
その後「甜甜Lady Lady」というそばかすなしのキャンディをいがらし自ら台湾でプロデュースした時には、呆然。
「新小甜甜」(新キャンディ)「新安東尼」(新アンソニー)「新陶斯」(新テリィ)・・・笑うしかないし、私の夢見る少女時代が終わった瞬間でもありました(爆)

巨額なマネーが動く版権の世界、大人のドロドロを見せてもらったよね。



今思えば、「キャンディ♥キャンディ」は少女マンガの形をとりながらも、初恋は実らない、女子も手に職を持つ・・・といった意外に啓蒙的な部分があったんだよな、と思います。
仕事とは名ばかりで、働いてるシーンがほとんど描かれない、初恋は絶対実る韓国ドラマとは大違いだと思うのですけれども。
この少女マンガのどこが、一体、韓国ドラマのルーツなのかな?
「キャンディ♥キャンディ」は、初恋が実らないからいいのです!
それでも、前を真っ直ぐ見つめて、巨額マネーに惑わされないキャンディが好きです!


あ~、またキャンディの意外にビターな世界観を味わいたいなぁ。


(25.3.27追記)
>初恋が実らないからいいのです!
と昨日書いておりますが、コメントでご指摘を頂きました!

>キャンディの初恋は丘の上の王子様のアルバートさんだと思ってましたわ^^;
あわわわわ、そうです!アルバートさんですよ!
うわ~かなり記憶の改竄が始まっている! 
そう考えればちゃんと韓国ドラマのルーツになってます!
おはずかしい・・・

アンソニーともテリーとも恋が実らなかったので、初恋は実らないと思いこんでいました(汗::)
嘘を書いてごめんなさい~

無理やりこじつけて言えば、初恋は実らない・・・というよりは、初恋にこだわりながらも、他の人を好きになることもあるのが、韓ドラと違うくらいに書いておけばよかったのに・・・
もう、私のバカバカ!

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by moonlight-yuca | 2013-03-26 21:44 | 恋愛は少女マンガで教わった | Comments(10)

アンジェリク

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みどりいろ
わたしの好きな
みどりいろ
みどりの吐息
みどりの目

むかし
おとめが
おりました

アンジェリク 木原敏江(原作 S&A・ゴロン)

【あらすじ】
17世紀のフランス、片田舎の貧乏貴族の娘に生まれた美しいアンジェリクがたどる数奇な運命。初恋と毒薬の秘密、醜い大金持ちの伯爵との政略結婚、宮廷貴族の陰謀と夫の突然の失踪……。苦難と闘いつづけるアンジェリクの恋と冒険を描いた大河歴史ロマン。

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木原敏江といったら「しまりんご」かもしれないけれど、私の中ではなんといっても「アンジェリク」!
これぞ少女マンガというきらきらした絵柄の中で、せつなさを描かせたら天下一品だったわね。
「ベルばら」とはまた違った意味でせつなかった。
「ベルばら」は恋愛模様はもちろんだけれども、逆らいようがない歴史のうねりのダイナミックさというのも教えてくれたけれども、「アンジェリク」は報われない思い・・・というものを少女の私に教えてくれたと思う。

少女マンガの典型的なパターン、ヒロインが全てのヒーローに愛されるという鉄板のプロットを用いながらも、結婚したらめでたし、めでたし・・・とはいかず、そこからが怒涛のようなヒロインの運命の遍歴に、度肝を抜かれちゃったりもしました。

白馬にのった王子さまが、ヒロインを見つけて、2人はいつまでもしあわせに暮らしましたとさ・・・


なんてことはないのです。
少女の頃ってさ、初恋の大好きな人と結婚したらそれで幸せなんだわ、と思っていたことがないですか?
結婚してからだって、色々大変なのよ~、なんてこと思ってもみなかった。
シンデレラは、白雪姫は、その後ずっと幸せに暮らしていたに違いないと思っていたあの頃(爆)
そんな私に、いやいや、結婚したからってずっと一人の人と添い遂げられるとは限らないよ・・・という衝撃的な事実を教えてくれたマンガでもあります(爆)
愛には色々な形があって、その場所、そのタイミングで、側にいる人が最愛の人なんだよ。
そして、愛は必ず報われるとは限らない・・・という、なんともビターな事実を教えてくれました。


それまでの少女マンガでは、ヒーローが全てで、2番手君はあくまで2番手君なのです。
ところが「アンジェリク」ときたら、ジョフレにフィリップにニコル、という魅力的なヒーローたち。そして彼らを等しくアンジェリクは愛するのです。
そういう愛があることを教えてくれたわ~

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フィリップ!
もう、私の韓国ドラマにおける、報われない複雑で屈折した孤独なヒーロー好きは彼がルーツだと言っても過言ではないの。
こんなに複雑で、哀しくて、自分の愛すらわかっていなくて、しかし誰よりもヒロインの愛を求めた男を私は知りません。
今でも彼のことを思うと泣けるわ~
(蛇足ですが、フィリップとボーフォール公との妖しい関係にも胸がときめきました。初めて知ったBLのときめき・笑)

クールに美しい人形であることだけを求められたフィリップが、シニカルに生きてきた彼のたった一つ感情を動かすものが、田舎くさいと見下していたはずのいとこアンジェリクへの初恋だなんて。
愛情表現の下手な彼の精いっぱいの彼女への愛情表現が、泣けて泣けて仕方がない。
(「BASARA」での揚羽のラストと同じくらい号泣しました)


このマンガで教えてもらったことは、意外にヒロインは多情であり、ヒーローは初恋に一途ということかも。



■■■■■

その後、原作を読んだ私は、またもやびっくり!
少女マンガでは異色だと思っていた「アンジェリク」は原作と比較すれば、やっぱり少女マンガだった・・・ということ。
アンジェリクの多情は品よく、乙女チックにマンガではぼかされていたのね。
原作では、もっと露骨にセクシャルに物語は展開していきます。プラトニックなんか、どこにもない(笑)
マンガはお上品だったのね、ということを再認識しました。


田舎娘 → 結婚してフランスの伯爵夫人 → 夫が火あぶりになり → 盗賊の女に → 再びフランスの侯爵夫人 → 攫われて奴隷市場へ → 海賊のレスカトールに買われる → 逃げ出してスルタンへ・・・


これ、ほんのさわりの6巻まで(爆)
26巻あって、6巻の時点で、もうこんなに波乱万丈なんだよ!
ある意味「王家の紋章」の無限ループよりも、はるかに読み応えがあります。

お、こうして考えて見れば紫禁城すごろくだった「ブーブー」と似通った面白さがある。
ヒロインの境遇の流転、わらわらと登場するいい男(皇子たち)、ヒロインは純情のようで多情のようで、やっぱり純情、宮廷陰謀劇、毒薬、反乱。


そんな「アンジェリク」、毎回、胸をドキドキさせながら、手に汗握りながら読みましたもの。
原作も、ジョフレもフィリップ(号泣)も、好きですが、意外にもレスカトールが好きでね( ←わかる人にはわかる・笑)

クールなおもざしの中に、限りなく繊細で心優しい情感を秘めて、何があっても決して取り乱さずに、毅然と対処する。「自分を律する」ことを知っており、しかし時には情熱の熱い燃え上がりに身をまかして流されてしまうのが正しいことも知っている。
みずみずしい感受性を貴族の誇りにそっとおしつつんで、強く、しかも弱い彼。
フィリップとはまた違う意味で、切なくてカッコイイのよね~



「アンジェリク」はとにかく面白い物語であります。
「ブーブー」好きならハマるかも。
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by moonlight-yuca | 2013-03-07 21:44 | 恋愛は少女マンガで教わった | Comments(11)

SEX 上條淳士

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SEX 上條淳士

伝説の上條作品が単行本に!

東京・福生の中学生、カホは修学旅行で訪れた沖縄で、6年前に沖縄に引っ越した幼なじみのナツを探して町をさまよっていた。そんなカホの前に現れたのは、ナツによく似た雰囲気を漂わせる青年、ユキ。路上のアメ車を平然と盗み、信号無視を当然のように行うユキは、どうやらナツと知り合いのようだが…。カホ、ナツ、ユキの3人の出会いからはじまる終わりなき真夏の物語。圧巻の上條ワールド!!



タイトルは過激ですが、全然そういう扇情的なシーンは一切ありません(笑)
健全な、少年マンガ。
このマンガ、大好きで今まで3度出版されていますが、全部持っています。

特に20年くらい前に最初に出版されたのは、豪華だった。
普通マンガ本のページはモノクロですが、この初版本は主人公の一人ユキから見る世界を色で表していた。
ユキは色盲ですが赤い色だけ識別できる。だからページも赤色のモノは赤で印刷されていたという、手間暇かかった二色刷りだった。こんな豪華なマンガ本は、他には知らないなぁ…

ロードムービーマンガ。
タイトルの「SEX」とは男女の性差、境界線という意味。
そして境界線を越えられるか、「金網を越えられるか」がテーマだそう。
私たちは、自分をがんじがらめにしている金網を飛び越えて自由になれるか、自由になる覚悟はあるのか。
そんな問いかけを、スタイリッシュに描いていたマンガ。

このマンガ、今でも忘れられません。
大好きなマンガ。
しかし、本屋で購入するにはものすごく勇気がいったマンガです(笑)

私はカホになりたかったなぁ…
そんなことを思い出す。
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by moonlight-yuca | 2013-01-20 19:50 | 恋愛は少女マンガで教わった | Comments(0)

ナイルの娘を得るもの・・・エジプトを得ん??

大好きな物語は、終わらないで欲しいと願うものだけれども、
いつまでも終わらない物語もなんだかなぁ、と思ったりする。



a0192209_202639.jpg何年続いているんでしたっけ?
私が小学校の時から連載しているので、30年近く!!(爆)
そして、まだ終わる気配がない…
一体キャロルは何人の王や王子や大富豪にかどわかされ、惚れられ、さらわれちゃー戻って、さらわれちゃー戻って(以下省略)、おまけに何度タイムスリップをしたことだろうか。
偉大なるマンネリズムに陥ったこの作品、皆さまはどこ(何巻)で脱落したのだろうか。
恥かしながら小学生のころは、キャロルのように、博識になろう・・・と思い、勉学に励んだ時もあった。
いつタイムスリップしてもいいように、鉄の刀の作り方とか、水の浄化方法とか・・・
いやあ、そんなこと考えた時点で、あたしゃ、馬鹿だわね。
もし、タイムスリップできるものなら、あの頃に戻って、このマンガをに夢中になっていた私に言ってやりたい。
「馬鹿」と。おっと、そんなことで、貴重なタイムスリップの機会を使っちゃいけないのかも(笑)

アラフォーになって考えるに、このマンガ、色々な意味で面白いのよね~
しかし、決して「恋愛」をこの漫画に学んではいけないのである。なぜなら・・・


以下は、オタクな妄想分析でございます~

>>続きを読む
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by moonlight-yuca | 2012-09-08 18:52 | 恋愛は少女マンガで教わった | Comments(8)

PALM

計り知れぬほど深く、おののくほど強く、信じがたいほど永く
貫かれた、愛があった
1981年にわたしは彼と出会い、
1988年に彼は死んだ

彼の名はジェームス・ブライアン
「どこにもいない人間」
または「存在するはずのない者」
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PALM 獸木野生(伸たまき) (1983年~連載中)

(あらすじ)
1981年、元心臓外科医の私立探偵カーター・オーガスは、シンジケートの家系に生まれ、11歳で誘拐され、数奇な運命をたどったかつての天才児、ジェームス・ブライアンを助手として雇うことになる。
28歳でこの世を去ったジェームスの伝説を中心に、3人の人種の異なる主役とその周りの人々、20世紀後半の世界を描いた壮大な人間ドラマ。
シリーズは2010年代完結の予定。

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私が未だに新刊を絶対購入する漫画家さんがいる。
岩舘真理子、くらもちふさこ、そして獸木野生。
獸木を知ったのは、83年だから、かれこれ29年。あっという間の29年。
知らない方も多いのかな。この「PALM」シリーズ。現在35巻まで出版されていて、先日やっと9話が終了。物語はいよいよ佳境に入り、最終話「TASK」を残すのみになった。

ちょっと独特のアメコミ風で、白と黒の陰影が印象的なその絵柄は、およそ少女マンガというジャンルでくくるには無理がある気がする。その壮大なストーリー性も。
少年マンガのように勝ち進む物語ではないし、少女マンガのように、「あなたと私」という恋愛の土壌で展開する物語でもない。
不思議な風合いを醸し出しているマンガで、とっつきにくい、と思われている方も多いと聞く。

でもね、でもね、一度この世界に足を踏み入れると、圧倒される。
登場人物が織りなす運命の紋様は、壮大なタペストリーで、クロニクルなのだ。
この物語が稀有なのは、最初から主人公の死ぬ日が明示されていること。年表があるのだ。
永野護の「ファイブスター物語」のように。(しかしFSSはファンタジーなので、なんでもありな荒唐無稽の年表だけれどもね・笑)
死に向かっていく物語なのだ。まさに、我々の人生と同じ。

脚本があり、コマに絵を落としていくその作者の技法のおかげで、まるで映画のよう。毎話のラストシーンは、本当にそのまま映画のエンドロール。
絵が流れていき、どこからともなくBGMが聞こえてくる。そんな斬新なマンガ。
獸木は、独学でマンガを描いてきた、と述べるように、マンガ家育成エリートコースから外れた彼女の、その技法は独特であり、特異であり、ストーリーと相まって、奇跡のような物語を綴っていく。
(彼女の半生は「青また青」で描かれている。まさに事実は小説より・・・みたいな人生なのよ)

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何よりもその物語。
まるでサリンジャーのような、アーヴィングのような、カート・ヴォネガットのようなアメリカ文学を彷彿とさせる、奇想天外なストーリー。
描かれるのは、生きることと、死ぬこと。
死は突然飛来する、何の前触れもなく、テロリストのように。
そんな作者の達観した冷徹な眼差しが、この物語の根底を流れているのだ。
どんなに、爆笑するシーンでも、愛おしくなるシーンでも、嬉しくなるシーンでも、死の影は常にそこにある。



淋しさと、愛おしさと、切なさと、恐怖が入り混じって。この物語を読むたびに狂おしくなる。
アメリカという国に流れ着いた椰子の実(パーム)のような人々が、疑似家族を作り、そして別離の予兆に満ちた最終話「TASK」。とうとう最終話まで29年かけてきたんだわ、と感慨深い。

主人公のキャラ設定も秀逸。
しかし主人公3人は、皆、アダルトチルドレンだわね。
母親に「void」と名付けられた「存在しない人間」ジェームス、黄色人種の血ゆえに母親に虐待されるカーター、ライオンに育てられたアンディ。
彼らのそれまでの人生を思うと、どうか少しでも長く、疑似家族としての安らぎの時が続くようにと、願わずにはいられない。
設定だけ見ると、「はみだしっ子」の後継者のような作品だわね。

笑いと(80%は笑える話です!)と愛と涙と感動を味わえる、大河ロマン。
人生って哀しくって、残酷で、でも果てしなく美しいものなんだわ、と感じさせてくれる物語です。
機会があればぜひ。

パーム0・お豆の半分
パーム1・ナッシング・ハート
パーム2・胸の太鼓
パーム3・あるはずのない海
パーム4・スタンダード・デイタイム side1、スタンダード・デイタイム side2
パーム5・星の歴史-殺人衝動
パーム6・オールスター・プロジェクト
パーム7・愛でなく
パーム8・午前の光
パーム9・蜘蛛の紋様
パーム10・TASK
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by moonlight-yuca | 2012-05-27 20:20 | 恋愛は少女マンガで教わった | Comments(4)

BASARA

己の望むことを!己の望むように!己で考え!己で選び!己で決めろ!
己を信じ 己を頼め 己で荷を背負い 己で責めを負い
己の意思で 判断で 誇りを持って 己のために生きよ
それがそれこそが 新しい...

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BASARA 田村由美 (1990-1998年)

(あらすじ)
高度な文明が20世紀末に滅び、日本は王の一族によって支配され
国民は、暴君の圧政に苦しみ続けてきた。 
そして300年の時が過ぎ
 山陽地方の白虎の村に双子の兄妹が生まれる。


兄はタタラ、妹は更紗(さらさ)と名付けられた。
兄のタタラは暴君の圧政から人民を救う“運命の子”と予言され、村人だけではなく、王族に反感を持つみんなの希望を託されていたが
、赤の王の軍勢に村を襲われて、タタラは殺される。


妹の更紗は、タタラの死を隠すために自らタタラを名乗り
、赤の王への復讐のため、立ち上がる…。



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今更、ワタクシごときが、取り上げるのもおこがましい「BASARA」。

泣いたよね、皆、泣いたよね?
胸が痛かったよね、皆、痛かったよね?
生きるって何かを考えたよね、皆、考えたよね?

読了後、何年経とうとも、血が湧き、肉が躍る読後感を味わせてくれる名作です。

それまで絵は綺麗だけれども・・・という認識だったのが、「巴がゆく!」で、田村由美ってすごいかも、と感じ入り、「BSARA」において、もう、心が鷲掴みにされました。
「とりかえばや物語」「ロミオとジュリエット」や、ジュブナイル小説の要素を取り入れながら、この物語のテーマは恋愛ではない。
闘いながら更紗が問い続けるのは「戦争とは何か、権力とは何か、国家とは、理想的な政治体制とはどういうものか」

この稀有なマンガの登場が、衝撃的だった。
それまでの少女マンガのテーマは2つだった。
恋愛を通じて自分の居場所を追い求めていた、ドジで人並な容貌の女の子が、学園のヒーローに「君はそのままでいいんだ。そのままの君が好きなんだ」と言ってもらうことで、世界に認めてもらい、アイデンティティを確立していく。
あるいは、家族再生の物語。この2つのテーマが大きな主流だった。
そのマンガ界に、田村由美は新たなテーマを持ち込んだのだ。「闘う少女」という。
そのことで、男性に認められなければ、自分の居場所はないという、無意識の刷り込みを少女マンガから受けていた、私たちは、熱狂したのだ。
私たちだって、世界と闘えるんだ、と。
90年代の男女雇用機会均等法における、女性の総合職への進出が謳われる時代を背景に、少女マンガにおいても「闘う少女たち」というジャンルが、浸透してきたのだ。


そんな、コムズカシイこと考えなくても、私たちは熱狂したよね。この物語を読むと、血がたぎって、たぎって、仕方がない。今すぐにでも、何かを成し遂げなければ、走っていかなければいけない、気分になる。

「BASARA」はまた、名言が多いのよね~

命を賭けるということは、死んでもいいと思うこととは絶対に違う。

傷つけた人に認めてもらえるくらい、美しく、堂々と生きてゆきなさい。

がんばりなさい。
いつも鏡に自分を映して真っすぐに自分を見つめられるよう、
恥ずかしくて目をそらす、そんな不正直な自分でないように。

国の未来を築くのは、救世主でも、王でも、英雄でもない。
母親という人たちです。

憎しみはね、続かないんですよ。
生きて歩いて人に会い、誰かを愛せば消えてしまうんですよ。

『心を受け取る』と書いて『愛』と読むのだす。

燃えさかる炎のようで 清らかな水の流れのようで
暖かい大地のようで 決して支配されない 風のような人。

もう、このセリフを読むだけで、条件反射的に号泣。

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キャラクターが皆、愛おしい。主役の更紗、朱里はもちろんのこと、捨てキャラが一人もいない。
私のお気に入りは、浅葱ですわ~、やっぱり、陰険な人が好きですもの。
何が好きかって、浅葱と更紗が背中合わせになって、この人とならば背中合わせで闘える・・・というシーンが泣けて、泣けて、仕方がない。

「BASARA」読後感が、ものすごくビターな感じで、何年経っても、私の心の中でかさぶたになって、時々それが剥がれて、生きている哀しみと、前に進んでいかないといけない勇気を、思い出させてくれる。
そんなマンガです。
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by moonlight-yuca | 2012-05-20 21:24 | 恋愛は少女マンガで教わった | Comments(10)

マリーベル

 幸せにおなりマリーベル 


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「マリーベル」 上原きみ子 (1979年)

(あらすじ)
18世紀の末、イギリスのドーバーにフランス人の幼い兄妹が置き去りにされた。兄のアントワーヌは失踪、残された妹のマリーベルは、保護されたランバート公爵家の屋敷で養育されることになる。マリーベルは美しく成長し、やがて公爵家の跡取り息子ロベールと幼い愛を育てていく。しかし、身分違いの壁は大きく、マリーベルはロベールのために身を引く決意を……。波乱に満ちた少女の半生を描く、大河ロマンの名作!

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ひゃあ、驚きました、1979年頃の作品なのね。知らない方も多いかもしれないわね。
フランス革命モノといったら、言わずと知れた「ベルサイユのばら」でしょうけれども、「マリーベル」も大好きです。「ベルばら」とは違い、突っ込みどころ満載ですし、時代構成など全然考えていない作品ですが、読ませる力がすごい!

上原きみ子って、たしか「まりちゃんシリーズ」(今でも「小学3年生」とかの雑誌ってあるのかしら?)で知って、近所のお姉さんに色々借りた覚えがあるのよね~
「天使のセレナーデ」
「ロリィの青春」
「炎のロマンス」
「舞子の詩」
そして「マリーベル」
しかし、夢中になった記憶はあるのに、全然内容は覚えていないのよね。
大人になって入手して読み返してみて、再読に耐えうる作品だわ、と再認識。絵柄は古いけれどもね。

最近、コメント欄の懐古少女マンガネタが、熱くって熱くって、とうとう韓ドラレビューもしのぐ勢いになりつつあるこのblog(爆) 昔のマンガを語っているうちに、さて、自分の少女マンガ初体験はなんだろう?とこの1週間ずっと考えていた。考え過ぎて、韓ドラ視聴スピードがストップしてます(笑)

やっぱり近所のお兄さん、お姉さんにマンガの手ほどきを受けたのだと思うけれども。
「三つ目がとおる」「愛と誠」をなんだか強烈に覚えているなぁ(笑)
一大ブームだったのは「キャンディ・キャンディ」。今でもテリィのフルネームは諳んじられるもん!
テリュース・G・グランチェスター(笑)
ってことは、やっぱり「なかよし」から入っていたのかな。
「おはようスパンク」はあまり好きじゃなくって、「地獄でメスがひかる」「黒とかげ」「血まみれ観音」という一連の高階良子の横溝や江戸川の原作ものマンガを読んだ記憶が。
いや、待てよ、小学生の時にピアノ教室で読んだ美内すずえの「金色の闇が見ている」がものすごく怖かった記憶が、蘇ってきたわ~

あらら、脱線しましたが、「マリーベル」
少女マンガの創成期って、「赤毛モノ」が主流だった気がする。
私が読み始めたころはかなり、上原きみ子は細川智栄子@「王家の紋章」と共に古臭い絵柄の部類に入っていたと思うけれども、それでもその荒唐無稽なストーリー展開、読者をひきつける力は、ピカイチだった。
恋愛至上主義のストーリー展開で、愛は何物にもまさる、という主張を小学生のイタイケな心に深く刻みこまれたのよね。
それでも、こうやって強く思い出の作品として残っているのは、少女が世界で自分のあり方を模索し、成長していくお話だからだと思う。上原きみ子のヒロインは、愛の闘争ではいつも勝者(ヒーローは必ず一途な愛をヒロインに捧げている)ではあるが、それだけでお話が終わるのではなく、仕事を通して、自立していこうとする少女を描いたからだ。

結構、キラキラ、コテコテの少女マンガの絵柄に騙されちゃうけれども、骨太なテーマを持っていたりする。
「マリーベル」では初恋のロベールと単純にめでたしめでたしではなく、彼女はそこに至るまでに、多くのものを失ってしまう。かけがえのないものをたくさん。
全てを失った荒廃の地に立つマリーベルのラストシーンは、スカーレット@「風と共に去りぬ」みたいでもある。愛なしでは生きてはいけないけれども、愛だけでも生きていけない、ビターな世界観が、上原きみ子にはある。
いつも浚われっぱなしで、「愛い奴じゃ」なんて言われているキャロルとは大違い(笑)なヒロイン像です。

身分違いの恋、叶わぬ恋、禁断の愛。出生の秘密、肉親探し、仇討ち、ライバルとの対決。
波乱万丈、大どんでん返し、実はあの人はこの人だった・・・みたいなストーリー展開は、あらやっぱり韓ドラのコードと非常に似通っているわね。


「紅はこべ」「アンジェリク」「ベルばら」「ラ・セーヌの星」(!覚えている方いらっしゃいます?大好きだったわぁ)に「ガラスの仮面」をミックスした、この「マリーベル」。
無性に再読したくなるマンガの一つです。
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by moonlight-yuca | 2012-05-13 20:30 | 恋愛は少女マンガで教わった | Comments(12)

私は女である前にデザイナーよ・・・デザイナー

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デザイナー 一条ゆかり (1974年)
あらすじ:
トップモデルの亜美には、実の親を知らないという秘密があった。ある時、母親が誰であるかを知った亜美は、そのショックで車の衝突事故をおこし、モデルの道を閉ざされてしまう。母親を見返すため、結城コンツェルンの朱鷺の手を借りてデザイナーになる事を選ぶ亜美だったが……。

以下、ネタバレがあるかも・・・

いわずとしれた少女マンガの大御所一条ゆかり先生の「デザイナー」。
再読しても相当面白い。強烈。
事故、孤児、 母親への復讐、近親相姦、世界的コンツェルン、自殺、記憶喪失、男色、主従、プライド。
先日まで夢中になって視聴していた「泡沫の夏」が、かーなーりこのマンガとかぶっている気がする。
孤児で成りあがろうとするヒロイン亜美が夏沫、
全てを持っているが愛は手に入らない冷酷な御曹司朱鷺が歐辰、
情熱的に亜美を愛する明が洛熙、ちょいと怪しい匂いがする柾が西蒙(笑)。
「デザイナー」はものすごく濃い愛と仕事の話なのだ。

一条ゆかりセンセイの「有閑倶楽部」「こいきな奴ら」「正しい恋愛のススメ」もいいけれども
暗くてジメーっとしたシリアス物の方が、再読した時に大好きだったりするのよね~
「人生なんて砂の城のようなものかもしれないわ。
つくっても、つくっても、いつの間にか波 がさらってしまう。いつも同じ事のくりかえし・・・」
なんて強烈なセリフを吐くナタリーが主役の「砂の城」や狂気もの「果樹園」、
「恋のめまい愛の傷」「それすらも日々の果て」など非常にビターでシリアスな作品が好きなのよ。

作品の根底に流れている近親相姦や男色。
恋をつきつめていくと気が狂ってしまう主人公たち。いやあ、当時の小学生が読むには強烈。
「キャンディ・キャンディ」などで「きゃあ、ドキドキ♪」なんて付録をあつめていた少女には
非常に難しい世界だったのよね。
(蛇足だけれども「キャンディ・キャンディ」も今思えば非常にシリアスだったりする。
その後の版権争いもおどろおどろしいしね!)


そして「デザイナー」
今読むと、いいのよね~。意外と仕事の話として、再読している自分がいたりする。
「愛」をとるか「仕事」をとるか。
「仕事」は自分の存在理由だから「私はデザイナーよ」とひとり旅立つ母。
デザイナーとして生きようとすればするほど孤独になるのを知っていながら
あの人は最後まで自分と闘いながらデザイナーとして歩いていく
自分の腕だけを信じて
気が遠くなるほどの時間をたったひとりで生きていく・・・


そしてひとりでは生きられないと「愛」を選ぶ娘。
その結末は、非常にドラマティックで。
現代だったら「罪に濡れたふたり」のようにあっけらかんと、こちらが驚くくらい(笑)、
タブーの一線を踏み越えるマンガが続出なのにね。
あの頃は倫理観があった(爆)

あの当時は柾の朱鷺への執着がよくわかりませんでしたが・・・今は分かります(笑)
まあ、なんというか、建物はロココ調、眩いフリフリのレース、長髪の美少年、
18歳でレミー・マルタン、ヘビースモーカー、スーパーカー・クラッシックカーを乗り回す。
登場人物は全て年齢不詳。
「泡沫」のように突っ込みどころ満載で「あれれ~」と言いながら読み進めるのだけれども
歳月が過ぎても色あせない、不思議な魅力を持つ作品だわぁ。
「デザイナー」が面白いのは、通常の少女マンガでは主人公になるはずの純真なアリサを脇役にし、
嫌味で高慢ちき、負けず嫌いでプライドが高い亜美を主役に持ってきたことだろうなぁ。
機会があれば、ぜひ「デザイナー」一読を。スペクタクルな作品でございます。
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by moonlight-yuca | 2011-10-26 22:14 | 恋愛は少女マンガで教わった | Comments(6)
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blogお引越ししました。


by yuca
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