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甘く野性的な恋

a0192209_1091781.jpg甘く野性的な恋(1974年)
SWEET SAVAGE LOVE
ローズマリー・ロジャーズ

ヴァージニア・ブランドンは社交界へのデビューを控え、胸をわくわくさせていた。同じ時、陸軍大尉スティーヴ・モーガンは怒りに我を忘れ、森の中を馬を駆けっていた。陰謀と肉欲に満ちた愛の奔流に向けて。(上)
ヴァージニアは金塊と共に殺し屋のスティーブにつれさられたまま、なんの手がかりもつかめない。スティーヴは、あせる父親を嘲笑うようにジニイを引きずりまわし、ついに彼の故郷メキシコにやってきた。激しく求め愛傷つけあってきたふたりだが、スティーヴの祖父のはからいでついに結婚式を挙げた。だがそれは、憎しみと狂気に満ちた長い別離へ向けての儀式となった。(下)

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さて、さて、RR再読にチャレンジの第2段は「甘く野性的な恋」。RRの処女作で代表作。
「華麗なひとびと」より、読みやすく面白かった。
スティーヴは、RRの理想のヒーロー像なんだろうな、RRの個人的セクシャルファンタジーを
読まされている気がする。このファンタジーは多くの人の反感と共に、さらに多くの人に支持された。
今でもamazonのレビューを読むと両極端の評価が多いのが興味深い。
このファンタジーを受け入れられる人と、忌みする人と2種類しかいないみたい。
RRの溢れだす圧倒的な勢いが、この作品には感じられる。書かずにはいられなかったパッション。

RRの「レイプ願望肯定ロマンス小説」のはじまりだわね。
世間のルールや常識、倫理観をすっ飛ばして、狂おしいほど私を求めて欲しい、
レイプするほど私を欲してほしい・・・
それが究極の愛情の表現なのだというメッセージが感じられる。
74年にこの作品はさぞインパクトがあったのだろうなぁ。
ヒストリカルロマンス小説の古典と言われるのは、
このRRの読者をも圧倒する願望が強烈だから。孤独がかいま見られるから。

この小説をローティーンで読んだ人(私も含めて)多いのに驚かされる。
人生経験がない女の子が読んだら、そりゃ、RRに圧倒されて、ある意味心を鷲づかみにされちゃう。
地雷の人やトラウマの人が多いのもわかります。
でも、これは、ロマンス小説ではないよね、と今の私なら思う。
ロマンス小説として読むから、いけないのよ。ラブ・ロマンスと銘打っていながら、
むしろ精神面ではわかりあえない人間の孤独を感じちゃいました。

拉致されたジニイがスティーヴに心惹かれていく様は、まさにストックホルム・シンドロームだし
スティーヴは肉体関係を持つ女性は多いが、誰一人として精神面での交流をしない。
RRの登場人物って、交流不全症候群なのだから同意の上でのセックスなんてないのよね。
必ず強制的なレイプという形をとらないと、お互いのココロの殻をやぶれないのです。

ロマンス小説ではなくて、本当に哀しい孤独な小説を読んでいる気がします。
一方通行の孤独な求愛のダンスを読んでいて、哀しい。

RRのファンタジーの一つに、娼婦の方が淑女よりランクが上だ、というのもあるな。
娼婦の方が、他人に影響力を与えられる、コントロールできるというファンタジー。
女性は男性には力でも頭脳でも劣るので、肉体的魅力で男性を支配するという願望。

ジニイも娼婦に身を落とす通過儀礼、輪姦を経験する。
かといってドストエフスキーの作品のように娼婦に「聖性」を与えているわけではなくて
ただただRR好みのヒーローを支配するには肉体的魅力だという短絡思考。
フェミニズムの裏返しかなぁ。

SSLはシリーズでこの後「暗い炎」「失った愛、永遠の愛」「Bound by Desire (1988)」
「Savage Desire (2000)」と続くのだけでも、やっぱりこの第1作目が
好むと好まざるにかかわらず、ある種の影響力があります。それだけRRの狂気が感じられる。

ジニイとスティーヴはどうなるのか。
しかし、サンリオのRRの表紙イラストは微妙な感じが多かった・・・怖いよね。
ジャネット・デイリーなんて綺麗なイラストだったのに。
と思っていたら「甘く野性的な恋」は空山基だった!!びっくり!!!でも、怖い・・・

個人的にはジニイの容貌は好きです。
赤毛だとずっと思っていたのだけれども、鋼色の金髪??よくわかりません・・・
そして緑の瞳。緑の瞳はスカーレット・オハラとアンジェリク、そしてジニイ。
私の中の三大美女だわ。



評価は
★★★☆☆ ある意味ヒストリカルロマンスのエポックメイキングな1冊。
万人にはオススメできませんがある趣向の人のツボにははまるかもしれません。
でも拉致、強姦、輪姦、娼婦という地雷満載。
しかし昔の作品なのでHOTシーンはどぎつくなく控えめだったりしますね。
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by moonlight-yuca | 2011-04-17 10:42 | ローズマリー・ロジャーズ | Comments(0)
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