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心までくれとは言わないから・・・バリでの出来事 14話まで

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韓国ドラマ「バリでの出来事」14話まで再視聴。
あれれ?サクサク進んでいます。初見で苦労したのが嘘のように。
最初「さっぱり訳わから~ん!」と叫んでいたのに、今回登場人物の感情の動きが面白く思えるのは
あれからいろいろ人生経験を私が積んだせいかしら?(爆)
それとも再視聴の余裕かしら?

スジョン(ハ・ジウォン)がものすごく分かりにくかったのですが、今回すとんと腑に落ちた。
「あっ、善良なファム・ファタールなのね・・・」と。
ファム・ファタールが善良なほど始末に負えないものはありません。

古来、「マノン・レスコー」にしろ「ナナ」、「カルメン」「ロリータ」、「痴人の愛」「桜の森の満開の下」、
例えばフィルム・ノワール、イザベル・アジャーニが喜々とした演じたファム・ファタールたち、
「愛のコリーダ」の阿部定、「突然炎のごとく」のカトリーヌだって、そして、傾城傾国たちから見る
ファム・ファタールたる条件とは自分の感情よりも肉体の本能のおもむくまま行動し、
それに世の男子が振り回され、破滅していくということ。
彼女たちは自分の行動にいちいち悩まない。理由づけなどしない。
言葉が肉体を超越しないことを知っているから。
言葉に何の意味もないことを知っているから。
一瞬の快楽をどん欲なまでに追い求める、ファム・ファタールたちの前では
常識なんか通用しないし、彼女たちが与える快楽の前に飲み込まれてしまう。
「魔性の女」に出逢い、堕ちていく、背徳な快楽があるのだろうな~

スジョンは見事なまでに、周囲の女性陣から嫌われている。
彼女のことをよく知らないイヌク母が「貧乏がにじみ出ている」とイヌクに忠告するくらい。
この時のスジョンのふてぶてしい、いやらしい、なんだか訳わかんないフェロモンが出ている顔を
見るたびに、私、ぞくぞくして目が離せません。ぎらぎらしているというのかしら?
すごい面構えです。なんだか目が離せません・・・
ジェミン(チョ・インソン)が彼女のことが頭から離れないのがわかるよね、怖いもの見たさ?
言葉で「スジョンのこんなところが好き」とか説明できる状態ではないよね。魅入られた感じ?

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「プライドがない所が好き。自分に媚びないから好き。心までくれとは言わないから」などと
ジェミンは分析しているけれども、あ~あ、ファム・ファタールに魅入られた男子は必ず
肉体だけじゃなくて、やっぱり心も、彼女の全てを所有したくなるのに。
誰かの全てを所有したくなるなんて、土台無理なお話ですが、孤独な人間は
それでも所有を望んでしまい、叶わないから、どこまでも堕ちていくんだろうなぁ。

スジョンはファム・ファタールなのですが、どこか善良なのよね。泥臭いというか。
肉体はジェミンを選んでいるのに、精神はイヌクに惹かれていて、
でもまだ自分の本能の赴くままには行動していない。
正論で諭す友人のミヒが、スジョンのストッパーかしら。
スジョンの母やら婚約者やらの言動にナイーブに傷ついているのは
彼女が善良だから。
ヨーロッパのデカダンスなファム・ファタールたちは、倫理観なんかすっ飛ばしているもの。
そんなことでは悩まないし、快楽だけがすべてだから。
頽廃の国のファム・ファタールと儒教の国のファム・ファタールの違いなんかも、考察したりして。

スジョンも誰かに自分の存在を認めて欲しいのね。
だからイヌクが自分を好きだと言ったくせに、つれない態度を取るから、あてつけでジェミンに
囲われたフシがあり。しかし、ジェミンの命令口調の「そばにいろ」で彼の不器用な恋心を知り
彼女の存在を必要としてくれる人間がいることを知り、ジェミンのそばにいるのも嬉しい。
誰かに、心底必要とされていると感じることは、幸せの一種ですから。
by moonlight-yuca | 2011-12-11 20:25 | バリでの出来事
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