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Tomorrow is another day・・・オボエガキ

"Tara. Home. I'll go home, and I'll think of some way to get him back.
After all, tomorrow is another day"
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Ⅰ・Scarlett O'Hara

金の亡者のように描かれている彼女だが、持ち前の気丈さとあきれるばかりの楽天主義で
打撃を躱していく。南北戦争の戦禍によって彼女の受ける被害は計りしれないが、
彼女は一度も泣かないし、参りもしない。常に明るくしなやかで、剛情で、そしてコケティッシュ。
タラの広大な大地が育んだ土の女は強いわぁ。
アシュレ曰く、「侠気の人」。自分を犠牲にし、タラや家族をどこまでも守ろうとする。
聖女のようなメラニーとの対比で、手段を選ばない女性のようにとらわれがちだけれども
いつもメラニーに匹敵るす果てしない優しさと強さを、物語を通して見せてくれたスカーレット。

Ⅱ・Rhett and Scarlett

彼は彼女を初めて見た時から、この燃えるような南部魂を持つ女性を愛し、影の形に添うように
守り続ける。メラニーがスカーレットと社会の間に煌き続けた剣であったように、彼もまた、
スカーレットを守る強い剣であった。
しかし、出逢った最初の瞬間から彼は知らされた。
スカーレットのアシュレへの強い思慕を。彼女もまた、その思いをレットに隠すことはしない。
むしろ彼女はレットに対し、反発するようにアシュレへの愛を示す。見せびらかすように。
結果、彼の表現はいつも裏返しになる。愛の言葉は毒舌、優しくしようとする態度は揶揄に。

Ⅲ・Rhett Butler
・・・彼が嘲笑的にものをいうとき─他人をも、おなじように自分自身をも、嘲笑する時は、しばしば自己の真実をさらけ出した。

・・・彼は意地悪をやわらげるユーモアの感覚があり、他人をも嘲笑するときでも、自分自身を嘲笑するかのように見せかける彼独特の微笑を持っていた。

・・・彼女の性質とそっくりの彼の片意地なつむじ曲がり、拒絶されることを恐れて、素直に愛情をあらわすことができない彼の剛情な自尊心を彼女は理解することができた。

レットの最後のモノローグは、哀しすぎる。
希望はもはやなく・・・過去の事実だけを淡々と語る彼がいる、その口調は皮肉や嘲笑を
含んでおらず、彼が初めてスカーレットに自分をさらけ出したのだ。
本当に悲しすぎて、彼の最後のモノローグを抜き出すことが、未だに私はできない。

彼は一息ついて、それから気軽に、だが、やさしく言った。
「だが、決して君を恨んではいないよ」
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Ⅳ・Gone with the Wind

戦争という大きな嵐による古い南部文明の死とよみがえりの物語。
初めて読んだ小学生の時は、ただただ圧倒されて、この物語の前でひれ伏したわ。
あれから何度も再読して、その度に新しい発見がある。
レットがご贔屓だったけれど、アシュレの良さもわかる大人になり、メラニーの強さもわかるようになった。
最近ではフォンティン家のおばあさまの言葉に感銘を受けたりして。
「難儀なことになると、どうしても避けられないものには、なんにも言わずに頭を下げて、仕事に精を出して、笑いながら時節を待つんです。つまらない連中と付き合って、そいつらから取れるだけ取ってやるんです。そして、こっちが充分強くなったら、そいつらの首っ玉を蹴飛ばしてやるんです。それが生きる秘訣ですよ」

M.Mがまずラストシーンから書き始めたこの物語、一片の破たんもなく結末へと収束されていく
パーフェクトな物語。この物語は今でも、私の血となり肉となっているのを実感する。
今更、この物語の感想なんておこがましいけれども、私がドラマで心惹かれる人物って
どこかスカーレットや、レット・バトラーを彷彿とさせるキャラクターかしらん、と思い至ったので。

リアリストで、物事を残酷と思えるくらい冷静に見通せる人物。
慇懃無礼で、皮肉屋で、つむじ曲がりの、さびしがり屋に。
by moonlight-yuca | 2011-12-21 23:02 | ■本■
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