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BASARA

己の望むことを!己の望むように!己で考え!己で選び!己で決めろ!
己を信じ 己を頼め 己で荷を背負い 己で責めを負い
己の意思で 判断で 誇りを持って 己のために生きよ
それがそれこそが 新しい...

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BASARA 田村由美 (1990-1998年)

(あらすじ)
高度な文明が20世紀末に滅び、日本は王の一族によって支配され
国民は、暴君の圧政に苦しみ続けてきた。 
そして300年の時が過ぎ
 山陽地方の白虎の村に双子の兄妹が生まれる。


兄はタタラ、妹は更紗(さらさ)と名付けられた。
兄のタタラは暴君の圧政から人民を救う“運命の子”と予言され、村人だけではなく、王族に反感を持つみんなの希望を託されていたが
、赤の王の軍勢に村を襲われて、タタラは殺される。


妹の更紗は、タタラの死を隠すために自らタタラを名乗り
、赤の王への復讐のため、立ち上がる…。



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今更、ワタクシごときが、取り上げるのもおこがましい「BASARA」。

泣いたよね、皆、泣いたよね?
胸が痛かったよね、皆、痛かったよね?
生きるって何かを考えたよね、皆、考えたよね?

読了後、何年経とうとも、血が湧き、肉が躍る読後感を味わせてくれる名作です。

それまで絵は綺麗だけれども・・・という認識だったのが、「巴がゆく!」で、田村由美ってすごいかも、と感じ入り、「BSARA」において、もう、心が鷲掴みにされました。
「とりかえばや物語」「ロミオとジュリエット」や、ジュブナイル小説の要素を取り入れながら、この物語のテーマは恋愛ではない。
闘いながら更紗が問い続けるのは「戦争とは何か、権力とは何か、国家とは、理想的な政治体制とはどういうものか」

この稀有なマンガの登場が、衝撃的だった。
それまでの少女マンガのテーマは2つだった。
恋愛を通じて自分の居場所を追い求めていた、ドジで人並な容貌の女の子が、学園のヒーローに「君はそのままでいいんだ。そのままの君が好きなんだ」と言ってもらうことで、世界に認めてもらい、アイデンティティを確立していく。
あるいは、家族再生の物語。この2つのテーマが大きな主流だった。
そのマンガ界に、田村由美は新たなテーマを持ち込んだのだ。「闘う少女」という。
そのことで、男性に認められなければ、自分の居場所はないという、無意識の刷り込みを少女マンガから受けていた、私たちは、熱狂したのだ。
私たちだって、世界と闘えるんだ、と。
90年代の男女雇用機会均等法における、女性の総合職への進出が謳われる時代を背景に、少女マンガにおいても「闘う少女たち」というジャンルが、浸透してきたのだ。


そんな、コムズカシイこと考えなくても、私たちは熱狂したよね。この物語を読むと、血がたぎって、たぎって、仕方がない。今すぐにでも、何かを成し遂げなければ、走っていかなければいけない、気分になる。

「BASARA」はまた、名言が多いのよね~

命を賭けるということは、死んでもいいと思うこととは絶対に違う。

傷つけた人に認めてもらえるくらい、美しく、堂々と生きてゆきなさい。

がんばりなさい。
いつも鏡に自分を映して真っすぐに自分を見つめられるよう、
恥ずかしくて目をそらす、そんな不正直な自分でないように。

国の未来を築くのは、救世主でも、王でも、英雄でもない。
母親という人たちです。

憎しみはね、続かないんですよ。
生きて歩いて人に会い、誰かを愛せば消えてしまうんですよ。

『心を受け取る』と書いて『愛』と読むのだす。

燃えさかる炎のようで 清らかな水の流れのようで
暖かい大地のようで 決して支配されない 風のような人。

もう、このセリフを読むだけで、条件反射的に号泣。

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キャラクターが皆、愛おしい。主役の更紗、朱里はもちろんのこと、捨てキャラが一人もいない。
私のお気に入りは、浅葱ですわ~、やっぱり、陰険な人が好きですもの。
何が好きかって、浅葱と更紗が背中合わせになって、この人とならば背中合わせで闘える・・・というシーンが泣けて、泣けて、仕方がない。

「BASARA」読後感が、ものすごくビターな感じで、何年経っても、私の心の中でかさぶたになって、時々それが剥がれて、生きている哀しみと、前に進んでいかないといけない勇気を、思い出させてくれる。
そんなマンガです。
by moonlight-yuca | 2012-05-20 21:24 | 恋愛は少女マンガで教わった
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