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ナイルの娘を得るもの・・・エジプトを得ん??

大好きな物語は、終わらないで欲しいと願うものだけれども、
いつまでも終わらない物語もなんだかなぁ、と思ったりする。



ナイルの娘を得るもの・・・エジプトを得ん??_a0192209_202639.jpg何年続いているんでしたっけ?
私が小学校の時から連載しているので、30年近く!!(爆)
そして、まだ終わる気配がない…
一体キャロルは何人の王や王子や大富豪にかどわかされ、惚れられ、さらわれちゃー戻って、さらわれちゃー戻って(以下省略)、おまけに何度タイムスリップをしたことだろうか。
偉大なるマンネリズムに陥ったこの作品、皆さまはどこ(何巻)で脱落したのだろうか。
恥かしながら小学生のころは、キャロルのように、博識になろう・・・と思い、勉学に励んだ時もあった。
いつタイムスリップしてもいいように、鉄の刀の作り方とか、水の浄化方法とか・・・
いやあ、そんなこと考えた時点で、あたしゃ、馬鹿だわね。
もし、タイムスリップできるものなら、あの頃に戻って、このマンガをに夢中になっていた私に言ってやりたい。
「馬鹿」と。おっと、そんなことで、貴重なタイムスリップの機会を使っちゃいけないのかも(笑)

アラフォーになって考えるに、このマンガ、色々な意味で面白いのよね~
しかし、決して「恋愛」をこの漫画に学んではいけないのである。なぜなら・・・


以下は、オタクな妄想分析でございます~






分析すると、タイムスリップ+シークものが、基本プロットとなっています。

「シークもの」の定義は、「ヒロインが、アラブだのの、エキゾチックで血の気の多い封建的な金持ち権力者の黒髪ハンサムに、無理やり砂漠だの孤島だのに拉致られた末、真実の愛が芽生えてハッピーエンド」であり、必ずヒロインは金髪碧眼なのよね~
そう、まさにキャロルそのもの。
ヒーローはメンフィスそのものね。哀しいかな私の(爆)イズミル王子は、その髪の色から、ヒーローにはなりえないのです。

例えば、「キングコング」を見てもわかる様に、抑圧された暗黒大陸(アフリカ)のルサンチマンが、金髪碧眼美女(西欧文化)によって、破れる・・・という西欧文化礼賛の図式であるということは、周知である。
シークものも、そうなのよね~。アラブの荒々しい魂は、金髪碧眼美女(西欧文化)に勝てないという。

そもそも「シークもの」を読んでいて、いつも思う訳です。
拉致られた金髪美女は、最初は物珍しさで愛玩されるけれども、ハーレムのその他大勢になり、そのうち忘れ去られる・・・という話は、物語になりえない訳です。
だって、西欧文化が負けた事になるから、ね。

「王家の紋章」が面白いのは、少女マンガ創世記の作家の一人、細川智栄子御大が原作であるということなんでしょうね~
少女マンガ創世記は、西欧の「母娘もの」から始まりましたから、金髪碧眼の少女がヒロインでなければいけないと、細川御大は思っていらっしゃるに違いない。


時を経て、「天河」のころになると、日本人女性のアイデンティティが確立されてきているので、ヒロインのユーリは日本人でもOKだったのよね。
しかも、「天河」は、「王家」とプロットは同じなのに。ヒッタイトのカイルがヒーローだし、(「王家」では私のイズミル王子がヒッタイトでしたよね)、ヒロインは黒髪だしということで、やっぱり「王家」のアンチテーゼとして「天河」はあるのでしょうね。
何よりも、きっちりと最終回迎えたしね。

ということで、「王家の紋章」というのは、実は「恋愛」の物語ではなく、文明の闘いの物語である、と感じちゃってます。
欧米礼賛なマンガなんだわぁ。
「ナイルの娘を得るもの・・・エジプトを得ん」などと、言い伝えられておりますが、「ナイルの娘」を得るために、どれほどの多くの血が流れ、多くの人が死に、国が滅びるのでしょうか・・・
もはや古代エジプト文明が、蹂躙されてます~~
by moonlight-yuca | 2012-09-08 18:52 | 恋愛は少女マンガで教わった
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