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誰そ彼・・・宮廷女官若曦28話

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中国ドラマ「宮廷女官若曦(ジャクギ)」28話視聴。

27話の視聴時に、停滞気味かしらとぼやいたら、大陸歴史ドラマ愛好の先達さまから、ありがたいコメントの数々を頂きました。
曰く、大陸ドラマとは、そういうもの、らしいです。中国ドラマとは淡々と歴史を描いたり、検閲の問題で描写がすっ飛ばされてりするらしいです。
そして、私は4皇子が皇帝になってからも、皇子たちの暗躍があると思い込んでいたのですが、すでに4サマが皇帝になったときに、彼らの雌雄は決していたのだ、ということ。
ふむふむ、です。

そう考えてくると、このドラマ、また面白く感じてくるのです。

視聴者の知らない間に、権力闘争が行われていて、私たちが目にするのは、決着がつく瞬間だった、ということ。
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(25話より)
崩御の瞬間、4サマが、彼だけが乗り込んできた瞬間に、全ては決まったのだ。そしてルォシーが「皇帝陛下」と4サマに向かって恭順した瞬間に、権力闘争は終止符をうったのね。計らずしも彼女も4サマの皇位継承に加担したんだわ。

歴史を知っている「神の視点」を持っているからこそ、権力闘争から身を引こうとしているルォシーだが、しかし、歴史の流れを加速させていないか?
という疑問がここで沸き起こって、週末それについて考えていました。(考え出すとシツコイ・笑)

ルォシー、誰そ彼?です。






1話から視聴していて、結局彼女が何を望んでいるかが、よくわからないのですよね、私には。

彼女の今までの恋を3パターン知っていますが。以下のパターンに分別できるかな。

1・現代:二股が許されない
2・8皇子:彼が権力闘争に敗れることを知っているので、付き合えない。愛している人が死んでしまうのが耐えれないから。
3・4皇子:自分だけを愛してほしい。かといって、皇后の立場を脅かす気も、さらさらない。

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「愛してほしい、自分だけを。その愛の形を"皇后"という地位で表してほしい」というルォシーの要求に対して、4サマは「いつでも逢いたいから、格式ばった位につけないのだ」と答えます。
すでにここで2人の愛の形は、すれ違っているのよね。
「皇后」という地位を要求する割には、ルォシーは愛の闘争を行わない。
それは彼女の魂が、この時代に属するものではないから、だからこそ極力、この時代の流れを変えたくないという気持ちがあるから。

しかし、そうは言っても、人って、「自分はどうしてここにいるのだろうか。この世界に自分がいる意味ってなんだろうか」と、自分の存在を模索するものです。それが、権力闘争だったり、仕事をすることだったり、誰かを愛することだったり・・・・ 自分がこの世界にいる意味を探すものなのだけれども。
ルォシーは、結局、この時代に関わってはいけないという、強く禁忌する想いがあるからこそ、自分がこの世界に存在する、という充足感を得られずに、魂は疲弊していくんだろうな。
自分の存在、アイデンティティがわからないことは、生きていくうえでとてつもなく不安だから。

再三、医師から言われるようにルォシーは過度のストレスにさらされて、宮中では心穏やかに過ごせない。
だからこそ、彼女の安心する形で(地位で)、落ち着かせてあげればいいのに、そうはできない4サマ。そして子供を産むことで、ルォシーを落ち着かせようとします。
しかし、彼女の体調では、出産もかなり負担になると思うのだけれどもね。
権力闘争に負けた皇子たちを、遠方においやることも、彼女のストレスを増すことになるのじゃないのかしら。ますます宮中で孤立無援になってくる・・・

年齢も黄昏時、(おそらく良家の子女はとっくに誰かに嫁いでいるお年頃でしょう)、地位も、何もかも中途半端なルォシー。
4サマは、自分だけを見て、自分だけのそばに置いて、生きていて欲しいのでしょうね、ルォシーを。



4サマと8べえは似ていないのですが、でもやっぱり似ていると思うのです。
親の愛を焦がれたことや、女の愛し方が。
若蘭の魂は沙漠に還っていきましたが、ルォシーの魂も今にも現代に還っていきそうな、そんな気配が漂ってきています。自分の愛だけを、女に押しつけて、愛しすぎてるからこそ手放せないで、そうして彼女たちの魂はいつしか疲れていく・・・ 若蘭の28話のエピソードは、ルォシーの未来をも暗示しているかのよう。




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28話の、8べえのこの、投げやりな、全てを悟ったような、諦めたような笑み。凄味があります。
この人も哀しい人ですね。愛したかった父や、若蘭からは決して愛されず。いつも手に入らないものを追い求めて、そして身近にある愛をおざなりにする。
哀しい人だね。
by moonlight-yuca | 2012-11-25 21:02 | 宮廷女官若曦
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