エビチリも積もれば山となる・・・ちりとてちん第3週
13回。
都会で疎外感を感じるB子。新しい環境で新しい自分を発見するのではなく、どんな環境でも自分らしくいられることが大切なんだよ。瞬発力はあるけれども、計画性がないヒロイン。危なかしくって、ハラハラドキドキ。家族は大変。
14回。
そこからでは聞こえるはずがない落語の語りに導かれ、鳥居をくぐり、B子が今までと違う世界に入っていく。新しい人生を歩み出した瞬間の象徴的かつ静謐なシーンに身震い。順ちゃんの予言を底流に、師匠、草々兄さんに出逢う。
15回。
B子が新しい世界へと足を踏み入れたと同時に、それは徒然亭が違う世界からの稀人を受け入れた瞬間。まるで天女の羽衣のように洋服を奪われたB子が彼らに新しい風をもたらす。何も知らない人だからこそできる率直さでもって。
16回。
自分の「死」すらも達観し遊んで見せる師匠は、根っからの落語家。生き方がすでに芸の域。ドラマで一番の凄腕は超絶嗅覚specの糸子さんと、郷に入れば郷に従いすぎる順応力specのB子。徒然亭の面々が普通の人に見える。
17回。
ストーリーの捻り具合がお見事。あわれの田中に互角に戦うB子。本人は闘っているつもりではなく、共感を抱いている様がまた笑えるけれども。自虐もここまで来ると、十分に特異性になるのね。B子もまた、語ることで自分の世界を見つけていく。
18回。
あああ、だめ。涙腺決壊。茶色のおかずたちでこんなに泣かせされるのは、私たちの中にある母親への郷愁であり恋慕であり。久しぶりにお母さんのご飯が食べたくなった。ちりとて、すごいなぁ、毎週末泣かされますね。
エビの背わた取りがここまで展開してくるなんて、すごい脚本です。
鳥居をB子がくぐるシーンでも鳥肌。
くぐることで以前のB子と違う、新しいB子が実は生まれたのか。同姓同名のなりたかった自分がいない世界で、B子はイキイキと語り出す。
言葉が湯水のようにあふれてきて。
その自虐で味付けされた語りは、あわれの田中ですら追い返す。
「あわれのチャンピオン」で声を出して笑っちゃいましたよ。
そんな彼女は、徒然亭に新しい風をもたらすのね。B子が変わりたいのと同じくらい、徒然亭の面々だって変わりたかったのだ。違う人生に向かって。
自分が自分らしくいられる場所に向かって。
脚本の技巧でも、B子を帰らさないために、偶然が偶然を呼び、彼女をびしょぬれ状態にさせ、服を奪うのは天女の羽衣を連想させる。
本当に師匠LOVEなのね。
by moonlight-yuca
| 2013-10-24 20:43
| ■挫折しました(^_^;)■