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3月のライオン

ゼロだって━
ヘンな名前ぇ━
・・・でも、ピッタリよねアナタに
だってそうでしょ?
「家も無い」
「家族も無い」
「学校にも行って無い」
「友達も居無い」
・・・ほらアナタの居場所なんてこの世の何処にも無いじゃない?



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3月のライオン March comes in like a lion 羽海野チカ

東京の下町に1人で暮らす17歳の少年・桐山零。彼は幼い頃に事故で家族を失い、心に深い傷を負ったまま将棋のプロ棋士となり、孤独な生活を送っていた。養父・幸田の家に居場所を失くし、一人暮らしを始める零は、川本家の3姉妹あかり・ひなた・モモと出会う。

幸田家との異常ともいえる関係や、他人を踏み台にして高みへと昇り続ける『将棋の鬼』とも言える自らの魔性と周囲からの疎外感に苦しみ続ける零は川本家との交流、様々な棋士との対戦を経ていくうち、失っていたものを少しずつ取り戻していく。(wikiより引用)

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遅ればせながらですが、「3月のライオン」9巻まで読了。本当に遅ればせながらだ。
数々のマンガ大賞を受賞した本書に関して、ずっと気になっていたけれども少女マンガ(これはヤングアニマル掲載だから青年/少年マンガのカテゴリー?)を読まなくなっていたのよね。
その代わり韓国ドラマに夢中になり、ブログで感想を書いてみたりしていたけれども。

前作の「ハチクロ」でも感じましたが、甘い絵柄の割になんともビターな世界観を持ってらっしゃる作者だなぁ、とずっと私の胸の片隅にかさぶたのように残っているマンガ家さんの一人が羽海野チカなんです。
甘さとほろ苦さが入り混じっているこの独特な風味は、読みだすと癖になります。
「ハチクロ」でも色々なテーマを描かれましたけれども、中でも「天才」の壮絶さ、孤独、悲哀、そして一瞬の輝き、に胸を撃たれたものでした。
そして、「3月のライオン」ではさらに、「天才」を突き詰めて描こうとしているのか。
選ばれし者の果てを求めて、どこまでも墜ちていきそうな、狂おしいほどの熱情を。


主人公桐山零が自分の居場所を探し求める物語であることは、物語の冒頭に示されている訳です。
ゼロである=何も持っていない少年が、将棋しか持っていない少年が、それ以外の世界にも目を向け、大切なものを得ていく物語であるということは冒頭から暗示されています。
人と関わっていくことが不得手な零が、唯一世界と関わっていく手段が将棋なんです。
「一手一手 まるで素手で殴っているような感触がした
殴った肌の あたたかさまで 生々しく残っているような気がする」
しかし将棋を通してのコミュニケーションは、彼自身の心をも切り裂くようで、ますます闇に墜ちていくようで、そんな痛々しい少年なんです。

将棋がそれぞれの棋士の生き方そのものであることが、またなんとも言えず読んでいて胸を揺さぶるのです。
棋士たちがその一瞬一瞬の勝負に全身全霊をかけ、まさに人生をかけて、闘っていくさまには涙が出て、涙が出て。圧巻。
零が周囲の棋士たちとの勝負から一つ一つ、生きていくとはどういうことか、自分が守りたいものは何かを、知っていく物語なの。
まあ、この棋士たちが、これまた奇人変人ぞろいで(笑)、その偏屈ぶりを笑いながら読んでいると、ふいに直球で彼らの将棋への情熱、執着、苦しみ、そして栄光がわかり涙するという。
笑いと泣きのブレンドの物語が、相変わらず絶妙なんだよなぁ。

零は初めて、自分を受け入れてくれる人を見出し、その人を守りたいと思い、(・・・まあ、しかしトンチンカンな方向で守ろうともしているところが微笑ましいのですが)、そのために自分がきちんと将棋の世界で闘っていくという自覚が芽生えてきました。
この先、どうなるんでしょうかね。

将棋に魅入られた零は、「ハチクロ」の森田やはぐのような選択をするのか?


なんだか読んでいると胸がいたくなり、胸が暖かくなり、愛おしい。そんなマンガです。





■最近読んだ少女(少年)マンガ ビボウロク■

カノジョは嘘を愛しすぎている(青木琴美)1~13巻マデ
ムショーにフラワーコミックス系のマンガが読みたくなる時があるのよね。読後は後悔するのに(笑)
フラワーコミックス系マンガで感心するのはタイトルの付け方が秀逸だということかしら。
センシャルで衝撃的で、キャッチャーなのよね。つい手に取って読んでみたくなる。
「カノジョ」はサブタイトルもものすごくこだわっていて、タイトルフェチ(なんです私)としてはソソられまくりです。
肝心のお話はというと、映画にもなるくらいですからある程度は面白いですが、半年もすれば内容を忘れてしまいそうな気もします。
歌の才能を見いだされる少女という設定は、テニスの才能を見いだされた岡ひろみの「エースをねらえ」の芸能界バージョンでしょうか。ヒロインは努力せずともほとんどの登場人物のヒーローに愛され、愛に裏切られたヒーローはヒロインによって愛し方を知る。
今も昔も変わらない、少女の萌えストーリーなんでしょうね。
今風なのは、ヒロインのライバルがセックス依存症ってことかしら。続きは機会があれば読むかも。


惡の華(押見修造) 1~9巻マデ
噂にたがわず面白い。思春期のもやもやした訳のわからなさ、気持ち悪さ、絶望、この世の果てに行きたいという破滅願望、余すところなく描かれている。
まだまだお話は起承転結の「承」のような気がします。全く先が読めないマンガで続きが非常に気になります。


失恋ショコラティエ(水城せとな) 1~7巻マデ
やっぱり面白い水城せとな。「俎上(そじょう)の鯉は二度跳ねる」というBL史上最高傑作マンガを描いた作家が描く恋愛マンガは、一見普通の少女マンガのようでいて捻ってるんだよなぁ。
ここまでショコラがセンシャルなものだとは、気づきませんでした、私(爆)
恋愛至上主義のように見せかけて、実はビターな人間関係を描く作者の真骨頂でしょうか。恋愛すらも実は自己愛の延長なんだという、アイロニー。
来年の月9でもありますね。石原さとみちゃんが魔性の女サエコなのね。ドラマは見るかどうか分かりませんが、マンガの続きは気になります。


ぴんとこな(嶋木あこ)1~10巻まで
はて、これはBLなのでしょうか、やっぱり。ここまでBL臭さを出されると、逆に引いちゃうけれどもな。ヒロインの存在意味がよくわからないマンガです。続きは読まないな。


 
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by moonlight-yuca | 2013-12-15 19:32 | 恋愛は少女マンガで教わった | Comments(2)
Commented by るる at 2013-12-18 16:15 x
はじめまして。

「星の時計のLiddell」、「愛のむきだし」、キムセロン見たさの「アジョシ」(^^)、木皿泉さん、「モンスター」、「3月のライオン」・・・とストライク!なものがいっぱいで、ついコメントさせていただいています。

「モンスター」はものすごくハマってしまって何度も見返しています。出演者みんな好きかも。
moonlight-yucaさんの「セイちゃんのヘアスタイル=はぐちゃん」というの、確かにほんとそっくりです。「ハチクロ」死ぬほど好きなのに思いつきませんでした。

ところでご存知かと思いますが、羽海野チカさんも木皿泉さんの大ファンですよね。「Q10」が終わった頃、「Otome continue」という本の対談で羽海野チカさんが木皿さんの神戸のご自宅に訪問して2万字(?)対談というのがすごくおもしろかったです。ツボだらけな会話が延々と。
木皿ワールドと羽海野ワールドって胸にぐっとくるというところで通じるところがありますよね。

零くんには「ハチクロ」の森田やはぐちゃんのような選択してほしくない派です。木皿さんの「セクロボ」はある意味「ハチクロ」のラストっぽいせつなさだったかも。

では、これからもブログ楽しみに拝見させていただきます。
Commented by moonlight-yuca at 2013-12-18 20:36
♪るるさん、はじめまして♪

コメントありがとうございます。好きなものが重なって、私もとっても嬉しいです。「愛のむきだし」なんか、かなり異色(爆)なのにね。
挙げていただいた作品、全て愛おしいなぁ。

「モンスター」何なのでしょうね、この魅力。
私も繰り返し視聴しています。登場人物全員が一生懸命で、不器用だからかなぁ。
なんだか応援したくなるし、片想いの視線に胸がキュンとなります。
全然期待せずに視聴していましたが、面白くっていいドラマですよね。

>「Otome continue」という本の対談
持ってます! 持ってます!
読み応え十分な雑誌ですね。
今読み返してみると、
「かいじゅう・みーつ・かいじゅう」なんて笑ってしまうけれども、木皿さんも羽海野さんも「ボーイ・ミーツ・ガール」の話なんですね。

「Liddelle」、「愛のむきだし」「アジョシ」「モンスター」「3月のライオン」全部A boy meets a girlなんですね。

そんな物語が好きなんでしょうね。
零君は、まだ恋に気付いていないんですね。将棋の世界と当たり前の幸せが両立するのか。先を読み進めていくのが切なくて、怖いです。

また、遊びに来ていただけたら、私とっても幸せです。
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