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フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ

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まあ、なんということでしょう!アタクシがとろとろしている間に邦訳が出版されてしまいましたね。
「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」
日本での出版は、むしろ遅すぎたくらい。全世界で翻訳出版されていますものね。
かのハリポタを超える、話題作ではございますが…

むしろ「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」の翻訳者が池田 真紀子氏ということに早川書房の本気度が伺えます。読みやすい翻訳でしたわね~
しかもハヤカワは新たなレーベル「RiViERA」を立ち上げて、大人の女のエロを追及していく所存らしいっすね。
まあ、ハヤカワさんはアタクシが読了後、気分が悪くなったくらいのBDSMの隠れた大作「Mの日記」の出版元でございますので、なんとなく納得ざんすよ。

しかし、装丁は本国のまんまなので好感が持てますわ。
「トワイライト」の初版では、マンガ絵だったのがなつかしく思いだされます。本国の装丁では、美しく退廃的だったのに、日本版になるといきなりPOPになっているんだもん!

あらすじ】女子大生のアナは、親友の代わりに、巨大企業の若き創業者兼CEOのクリスチャン・グレイをインタビューすることになった。これまで恋の経験のなかったアナだが、ハンサムで謎めいたグレイに会ったとたん、強く惹かれる。彼が運命の人?グレイもアナに好意を持っているのか、彼女の行く先々に姿を見せた。ふたりは急激に近づいていくが、やがて、グレイの倒錯した秘密の顔が明らかに…。





うん、まあ、こんなものでしょ。
受動・被虐の側(アナスタシア)が実は相手(クリスチャン)を支配している面がある、とかいうテーマは深いような他愛ないような。
えっとこれがマミーポルノともてはやされて、大ベストセラーっすか?
そっか・・・
ソフトポルノかな。「エマニュエル」といい、このくらいのソフト具合の方が、世の女性には受け入れやすいのかもしれない。
しかし、日本にはかの団 鬼六先生やら沼 正三先生がいらっしゃるからな。
このくらいのBDSMぐらいじゃ、アタクシ驚かないことよ。
甘っちょろい、ラブロマンスってとこかしら?

「トワイライト」の方が、ずっとずっと心に痛いのですが、読んでいて。
愛している女の血を欲しているのに(食欲)、吸血鬼にはしたくないというエドワードの、生存欲と愛の葛藤が心に染みました。
生き物にとっての究極の二者選択だったものね。生きるか死ぬか…みたいな。
かの大名作「あらしのよるに」を彷彿とさせる物語だったことが、アタクシ好きだったんだなぁ~

反して、「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」の選択ってさ、普通の恋愛をしたいのにSMは嫌だ。
ってことでしょ。どうも、危機感、瀬戸際感がなく、恋人同士のお二人で、プレイの方向性をどうぞお悩みくださいな。
みたいな醒めた感想を抱いちゃったヨ。
恋人同士の内輪モメってやつですか。

もともと「マスター・オブ・ザ・ユニバース」というネット小説だったらしい、今作。
良くも悪くもネット小説らしい長所と欠点を抱いた作品でもあります。
ネット小説出身の作家さんというのは、割に、自分が描きたいシーンを、自分が訴えたいテーマを前面に出してくる傾向がある。萌えのシーンを、細切れに、矢継ぎ早に見せていく、というか。
ものすごく作家に、その作品に対する(あるいはキャラに対する)パッションがあるので、時として、こちらの胸に突き刺さってくるんだよなぁ、その手法。その作家との相性があえば。
なんだかんだ言っても、私はこの3部作は読破しちゃうんだろうなぁ。
もしかして、人間の深淵が読めるかもしれないと、期待しつつ。
by moonlight-yuca | 2012-11-06 11:54 | ■本■
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